この半年間、週一回のリハビリを機嫌よく受けていた母ですが、今月で終了となります。
ギリギリ31日の予約まで入れてもらっています。
お陰様で、先生も驚かれるほどに良くなりました。
肩から腕の痛みで、夜も眠れなかったなんて今では嘘のようです。
昨日などは、”先生に逢えなくなると思うと淋しいです♡”と、言っておりました。
お若い先生は、笑うしかないという感じでしたが、この、お上手が言えない感じが、母も私も好きな所なのです。
ここで、”僕も淋しいです。”などと言ったら、それは、もう、母のI先生ではなくなります。
昨日の病院は、ちょっと切ないことがありました。
<切ない話 その1>
リハビリの前には必ず診察があって、体調の確認がされます。
その診察を待つ廊下で、車椅子の方に大きな声で、お話されている方がいらっしゃいました。
多分、車椅子の方の耳が遠くなっているのだとは思いますが、大きなお声ですと、怒っているように聞こえてしまいます。その方は男性なのでなおさらです。
お付き添いはボランティアの方でしょうか?
あるいは、ホームの方でしょうか?
車椅子の患者さん(男性)は、”はい。はい。”と、お返事なさっておいででした。
他人行儀なので、お身内ではないことがわかります。
お付き添いの方は、色々とご説明なさって、また迎えに来るからとおっしゃって帰られました。
同じように廊下で待っていた全員に、”えっ?帰っちゃうの?” という空気が流れました。
初めての病院って、けっこうわかりづらくて、戸惑うことも多いです。
車椅子の扱いもさほど慣れているとは思えない患者さんですのに、お一人で残されて、とても心細そうに見えました。
そして、その方が ”わたし、、、14番で待つようにって、、、さっき言われましたよね。14番ってここで良いのですよね、、、”
近くに居た全員で ”はい!” と答えました。
お忙しいのでしょう。きっと。とても。
でも、せっかくお連れになったのでしたら、もう少しご一緒にいてさしあげられなかったのかなぁと切ない気持ちになりました。
<切ない話 その2>
リハビリは、広いお部屋で同時に受けます。
患者さんも先生も、いろんな方がいらっしゃいます。
昨日は、耳もかなり遠くて、認知症も始まっておられる方がすぐ近くでリハビリをなさっていました。
若い女性の先生は、頑張って大きな声で話しかけられます。
リハビリ病棟に入院なさっている患者さんのようです。
”寝ないでくださ~い。目を開けていて下さいね~”
ーーー寝ちゃってるのね。そうよね。寝てばかりいたら、それこそ認知症が進むもの。
”自分でも曲げてみてくださ~い。そうそう。繰り返してくださいね。”
”なにを?”
ーーーう~ん。先生も大変ですね。
”朝ごはんはしっかり食べられましたかぁ~”
”食べてないよ。”
ーーー入院患者さんなのですから、召し上がっていないはずはなく、、、
リハビリが終わって、部屋を出たときに、母が
”お母さんも、近い将来、ああなっちゃうのかなぁ。” とポツリ。
<切ない話 その3>
会計で名前を呼んでも、何方も窓口に向かわれません。
すると、窓口のお嬢さんが、出ていらして、お一人の方に、”〇〇さん、会計へどうぞ”とお声をかけられました。
”ああ、ごめんなさい。耳が遠くなってしまって。”
お二人で窓口へ進み、お話は続きます。
”薬が、袋から落ちて、冷蔵庫の下に入って無くなってしまったの。”
患者さんの持っている薬袋を確認するお嬢さん。
”この袋の中にお薬入っていますよ。ちゃんと飲んで下さいね。”
”何でも無くなってしまうの。鍵までなくなっちゃって。”
ーーー優しいお嬢さんに甘えてお話されているのではないのです。
ーーー少し怒っていらっしゃいます。なぜに???
”でも、この袋に入っているお薬はちゃんと飲んで下さいね。飲まないとなおりませんよ。”
”飲んだらなくなっちゃうじゃない。”
ーーー???
病院の帰りは、散歩がてら歩くことが多いです。
花を探しながら、おしゃべりをしながら歩きます。
”さっきの人、一人で住んでいるのかねぇ。” と、母。
”そうみたいだったね。心配だね。”
”私には、お前がいるからいいけどぉ。”
”感謝してます。”
おおおおおおお、びっくり!!!
”そうだね。お母さんは、私とケンカしながら一緒に居るのがいいと思うよ。”
”そうだね。ケンカしながらね。”