母と私の着物ぐらし

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11月の着物コーデ~27日

今日選んだのはポリエステルですが、紬風の着物です。

 

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プリントではなく、ちゃんと織り出した柄です。

光沢も、頑張っている感じではありますが、少し硬い感じが写真にまで出てしまうのが残念です。

 

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帯は、母が大のお気に入りだった塩瀬の名古屋帯です。

もちろん、私も好きな帯です。

平仕立てになっています。

 

椿が咲き始めました。

椿は種類が多いからでしょうか、この時期から、春先まで見られます。

椿は、寒椿の印象が強いので冬!と思われがちですが、意外に花の時期は長いです。

また、沙羅双樹が夏椿とも呼ばれるので、夏にも使われる柄です。

”椿は一年中着られる柄ですよ”と呉服屋さんに教わったことがあります。

 

椿ですが、黄色で描かれ、葉は銀色です。

ちょっと不思議ですが、グレーと紫の地色には、この黄色と銀色がとても映えると思います。

 

着物も、帯も、グレーを基調に、黄色が印象的に使われています。

今日は、同系色でまとめたというところです。

 

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小物は、淡い黄色を選びました。

帯締めは、小紋の端切れで作った丸ぐけです。

 

11月の着物コーデ~25日&26日

ぬくぬくの布団から出るのに決意が要るようになりました。

寒いです。

 

結城紬を着ようと思います。

紬糸で織られた着物は暖かいです。

 

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お茶の先輩のKさんに頂いた着物です。

グレーのような、ブルーのような渋いながらも綺麗な色合いですが、折り込んだ柄などがなく、紬の風合いで勝負している着物です。

 

写真で、この着物の良さが判るかと心配しましたが、ちゃんと品の良い光沢が写っていますね。流石です。

 

帯も同じくKさんに頂きました。

と、いうか、”この着物にはこの帯を締めてね”とおっしゃっていました。

 

帯はろうけつ染めです。

鮮やかな色合いが渋い着物に映えます。

 

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この着物の裾回しには、鮮やかなピンクが使われています。

 

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歩くときに、一瞬、翻るときがあります。

このピンクがチラッと覗きます。

 

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基本、袖口布も裾回しと同じ生地を使います。

こんな風に、袖口のピンクもチラッと見えて、ピンクの帯と引き合ってくれます。

 

白っぽく写ってしまいましたが、帯揚げは水色です。

帯締めは、小紋の端切れで母が作ってくれた丸ぐけです。

淡いピンクと水色が水の中で溶けていくような柄です。

 

この帯には、無地の帯締めが良いかと、水色を合せてみましたが、キツイ印象になりました。着物も無地だからでしょうか。

 

母が作る丸ぐけは長尺なので(胴回りの太い母も使うため)私には持て余し気味になります。

2度からげて締める<藤結び>は、成人式に締めるような華やかな締め方とされていますが、私は、長すぎる帯締め対応として、藤結びにすることもあります。

さすがに、紬に藤結びは合わないと思い、普通に締めました。

紬はどんなに高価なものでも、ほんの普段着という扱いです。

 

さて、この帯ですが、母が私に仕立ててくれた結城紬にも合いそうです。

 

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濃紺に葉が織り出されています。

 

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今回は、お太鼓の部分に鳥のような柄がちゃんと出るように意識して上げました。

 

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帯揚げは水色と紫のぼかし。

帯締めは、紫と薄紫をつなげて作った丸ぐけです。

つなぎ目にビーズをあしらっています。

 

はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由」

はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由

 

10周年おめでとうございます!

これまでお題に取り組んだことが無かったのですが、10周年ということで、TRYしてみました。

締め切りぎりぎりですが、、、

 

  ~私が<着物>にハマる10の理由

 

着物が好きで着物ぐらしをしている私です。

さて、どうしてここまで着物が好きになったのか、その理由を考えてみました。

 

1 母の娘であったこと

 

先ずは、やはり私が育った環境でしょうか。

もっと言うと、母が育った環境です。

母の故郷(私の故郷でもあります)の群馬の山間部では、かつて養蚕が盛んでした。

繭にも企画外のものが出ます。

それを、自家用に糸を紡いで、さらに祖母自ら機を織り、着物に仕立てたものを母は着ていたそうです。

 

母の子どもの時代は、修了式に優等賞というものが学校から頂けて、母はその晴れがましい表彰式のために、毎年、新しい着物を仕立ててもらって出席したそうです。

母にとって着物は身近なものであり、晴れ着でもありました。

 

そんな母は、娘の私にも度々着物を着させてくれました。

夏は浴衣、毎年のお正月に着物を着るのは当たり前のことでした。

子どもは一年で背もぐんと伸びます。

働きづめの母でしたので、毎年紅白歌合戦を見ながら、元旦に着る私の着物の肩上げと、腰上げを直すのが決まり事でした。懐かしい思い出です。

 

2 着物を着ていると親切にして頂ける

 

お買い物をするにしても、お食事をするにしても、着物を着て行くとより丁寧な対応をして頂ける気がします。

 

hohoan.hatenablog.com

 

3 着物には季節、格など決まりがあるので、T・P・Oで悩まない

 

ミセスの第一礼装は留袖。ミスは振袖。

次に訪問着。

色無地に紋を付ければ格が上がる。等々。

色々な決まりごとがあるので、それに従っていれば、失礼のない装いが選べます。

 

季節にもよっても着る物が決まっています。

漠然と、何を着ればいいのぉ~と悩まなくて済みます。

 

ドレスコードとか付いていると悩みますよねぇ。

夜は肩の出るドレスって!???

着物でしたら、昼も夜も間違いなくクリアです。

 

 

4 母や大好きな先輩からのお下さがりが嬉しい

 

洋服ですと、流行りすたりがありますが、着物は何十年も前の物でも、古臭いとは感じません。

昔ながらの柄は、古風!という評価になります。

母の着物にしても、お茶の先輩の着物にしても、その方が着ていた時が思い出されて懐かしい気持ちになります。

私にお譲り下さったことを本当にありがたく思います。

 

 

5 買ってもらった時の感動が洋服とは比べ物になりません

 

絹の着物はやはり高価なものとなります。

成人式用の振袖、お茶会用に、初釜用に、、、

その都度、買ってもらう私が嬉しいのはもちろんですが、買ってくれる母の方もとても嬉しそうでした。

仕立てはお願いすることもありましたが、ほとんどのものを母が仕立ててくれました。

母にしてみれば、仕立て代を浮かしてもう1枚買ってあげたいという気持ちがあったと思います。

縫い物は肩こりの母には辛かったと思うのですが、とても楽しそうに針を進めていました。

 

下の写真は、一番のお気に入り、京都の展示会で求めたものです。

私のために何反も広げて頂いた中から選びました。

畳に重なるように広げられていく反物はそれは美しい光景でした。

 

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6 季節感を楽しめる

 

着物は、袷、単衣、薄物と衣更えの時期が決まっています。

袷から、単衣に変わった時の袖の軽やかさ!

毎年の事でも新鮮に感じられます。

 

また、着物や帯の柄も四季折々に楽しめます。

例えば、お正月には吉祥文様を、春には桜。

夏は流水文で涼し気に。

秋は何と言っても紅葉。

冬には、こんもりと雪をかぶった雪持ち~、例えば雪持ち笹とか、雪持ち梅、雪持ち椿などという風情のある図柄もあります。

 

 

7 様々な美しい文様に魅了される

 

正倉院文様、有職文様、名物裂文様と呼ばれる数々の古典文様。

また、四君子、宝尽くし、七宝、雪輪、、、、といった様々な図案。

出会った時に美しい!と感動し、その文様の名前を憶えていくのも嬉しいのです。

 

 

8 再生、再利用

 

絹は簡単に洗うことは出来ませんが、汚れてしまったら、ほどいて洗い張りをして、仕立て直します。

染みが出来てしまったら、染め変えることもします。

また、古い小紋の着物を、別の着物の裾回しに再利用することもできます。

 

着物も帯もたいそう生地をつかって仕立てられておりますので、擦れていたんでしまったり、染みがひどい部分を除いて、綺麗な部分だけを使って、バックや暖簾、洋服を作ることも出来ます。

 

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9 茶道には必須

 

お稽古事で唯一続いたのが茶道です。

お稽古には洋服でいらっしゃる方が多いですが、私は必ず着物で参りました。

懐から懐紙を出したり、帯に袱紗を挟んだり、茶道では着物を着ていることが前提です。

着物を着ている方があらゆる茶道の所作はやり易いのです。

 

10 着物文化は奥が深い

 

30年以上も着物生活をしていても、知らないことがまだたくさんあります。

もっとたくさんの文様を拝見したいですし、家紋も素敵なデザインのものがあります。

また、日本中にその土地の織物があります。

とても興味があります。

 

着物のコーディネートにしても、単に色合いだけの事ではなく、<織の着物に染の帯>と言われるような、決まり事とは言えないまでも、これまで先輩方が素敵な取り合わせとしてきたものがあります。

それをこれからも学んでいきたいと思います。

 

母に教わったことを覚書にしておきたいというのも、このブログを始めた理由のひとつです。

11月の着物コーデ~19日

こんにちはぁ。

昨日の着物コーデがずれ込んでしまいました。

 

時々着ている着物です。

 

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母も随分と着て、私に下がってきたので、汚れても惜しくない着物です。

これだけ着ればもういいかなぁと思うのですが、やはり、絹は着心地が良いです。

どくとくの光沢も魅力的です。

 

良く見ると、なかなか凝った柄にもなっています。

 

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茶色一色に見えるところは、実は赤の水玉のような柄がありますし、ただの縞に見える部分も、竹の節のように描かれています。

 

この着物には、同じ生地で裾回しが付いていました。

 

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緑の小花があるのが裏です。

これは、作家さんが、歩くときに一瞬返る裏生地までデザインして、一反+裾回し分を一反として織ったものです。

共布(ともぬの)の裾回しと言います。

 

普通は見えない部分にも、心配りをする!

日本人やなぁ~(なぜ関西弁?)って感じが致します。

 

 

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帯は、袋帯で二重太鼓にしました。

薄紫と、薄いクリームと、淡いオレンジが縞のようになっていて、全体に細かい露芝が金糸で織り込まれています。

小紋袋帯を合せますと、装いの格が上がります。

 

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帯揚げは赤紫。

帯締めは、紫と緑の丸組で、半分を過ぎたあたりで、緑と薄茶それぞれの丸組を捻たような作りになっています。

多色使いの帯締めは合せやすく重宝です。

 

11月の着物コーデ~18日

雨もどうやら大丈夫そうでしたので、母のお下がりの綸子の小紋を選びました。

 

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この着物、しぶいですね。

アップにすると木のようなものも描かれています。

 

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季節を選ぶような柄ではありません。

帯は秋らしい辛子色を合せました。

 

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紬の帯です。

手の端だけが折ってある松葉仕立ての名古屋帯です。

小紋に相応しい帯です。

 

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帯揚げをブルーやグリーンにすると、着物に溶け込んでしまいます。

オレンジは、帯の辛子色と近すぎると思いつつ、黄色はどうかとも考えたのですが、浮いた感じになるようでした。

着物が地味過ぎると感じておりますので、手持ちのオレンジの中で、一番明るい色を選びました。

帯締めは、縮緬の紅型の小紋を仕立てたときの余り生地で母が作ってくれた丸ぐけです。

 

 

 

 

仲居さん日記42

   ~バイリンガルのご両親を持つ坊ちゃん

 

七五三のお祝いのお席ですと、ご両親様、そのまたご両親様と、大人6名様+お子様のご予約が多いです。

ところが、大人2名と5歳のお子様というご予約でした。

思い込みの強い私です。

若いご夫婦がお二人で、ご両親を頼ることもなく、七五三のお参りもきちんとなさるなんて頑張っていらっしゃるなぁ~などと思っておりました。

 

お出でになったお三人。

5歳の坊ちゃんは、羽織袴姿。七五三ですからね。

お母様は、それは上等な訪問着。

そして、

    

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お父様も羽織袴でした。

これ、けっこう珍しいです。

 

そして、お店に入られると、お父様が ”oh!nice view"

”ナイス ビュー” じゃないんですよ。”nice view" です。

 

お顔を2度見してしまいました。

日本人に見えます。いえ、日本人以外には見えません。

 

お部屋にご案内して、お飲み物を伺いますと、私に対しては日本語なのですが、お3人の間では英語でお話されています。

 

お子様に飲み物をお尋ねになるときも、”何がいいの?何飲むの?” ではなくて

”would you like~" 的な感じで聞いていらっしゃるのです。

 

ちょっと戸惑いつつも、まあ、ご両親が日本語が通じるので私にも勤まるでしょうと、気を取りなおして、、、

 

坊ちゃんのお衣裳をお食事で汚さないように、トーションを後ろからクリップの付いているゴムの紐で留めて、アブちゃんをしてさしあげようと、坊ちゃんの後ろに立った私。

これまでの流れで、思わず ”エクスキューズ三―” と申し上げたのですが、

 

”坊ちゃんは、日本語がお解かりになりますか?” とお母様にお尋ねいたしますと、

 

”もちろんです”

 

ーーーああああ、良かったぁ。っていうか、さっきのエクスキューズ三―が恥ずかしい

 

 

ご両親様は、帰国子女でいらして、日本に居ながら、お子様をバイリンガルに育てていらっしゃいます。

 

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苦労もなく、英語が身に着くという羨ましい環境です。

 

思っていたイメージのご家族ではありませんが、配膳も、”終わったら次!では無くて、少し被っても大丈夫です” とか、指示が的確で、やりやすいお部屋でした。

 

お食事までお持ちしました。

”この後、デザートもございます。お食事が済まれましたら、お呼び下さいませ”と、お願いして下がろうとすると、

坊ちゃんが ”およびってなあに?”

どうも坊ちゃんの中では ”および下さい” つまりは ”give me oyobi"  になっていたようです。

 

まだ、5歳。

日本語を覚えるだけでも大変ですのに、英語もどんどん耳に入ってきて、坊ちゃんの脳はフル回転ですね。

ガンバ!です!

 

お帰りに、ホールからの景色も見たいとおっしゃるので、ご案内致しました。

ふと、坊ちゃんを見ますと、トーションは外していらっしゃるのですが、クリップのついたゴムが、まるで衿飾りのように留められています。

 

”あらあら、坊ちゃん、せっかくのお殿様のお姿にゴムは残念ですので、取りますね”

と、外させて頂きましたら

”どうして取っちゃったの?”

ーーーもしかして、気に入ってつけていたの?

   なんか、イヤよね。子どもからおもちゃを取り上げるみたいで

   でも、皆さんにその度に差し上げる訳にもいかないし、

   

”立派なお姿にこのゴムは似合いませんよ”

”ふ~ん”

ご不満そうです。困りました。

 

ここで、お父様が、

”それは、お店の物だから、返さなくちゃダメなんだよ”

と、クールにご注意下さったので助かりました。

 

お帰りには私にもバイバイと手を振って下さったのでほっと致しました。

 

 

 

 

 

 

仲居さん日記41

   ~初孫ちゃんと初お目見え

 

バイト先には、一部屋だけ畳のお部屋があります。

 

ご年配のお客様のために、お部屋を椅子席に変えて行く中で、小さなお客様のために残した和室です。

ハイハイが出来ますし、大人たちの背を伝って歩くことも出来ます。

 

大人4名様と、お子様おひとりのご予約です。

お子様のお食事は不要とのこと。まだお小さいのでしょう。

 

まだ開店前ですが、お子様の声が聞こえます。

和室のご予約のお客様のようです。

開店時間の前ですが、お部屋の準備は整っています。

ご予約がいっぱいなので、今のうちに、ご案内させて頂いた方が、こちらも都合がいいので、お声をかけてみました。

 

”〇〇様でいらっしゃいますか?少しお早目ではありますが、お部屋の準備は出来ておりますので、よろしければご案内いたしますが、、、”

 

あれ?ベビーカーにお子様がいらっしゃいません。

 

あっ!パパさんとご一緒でした。

ワンちゃんのお散歩の時のリード付きのハーネスのようなものを付けられてトコトコと歩いています。

 

    迷子ひものイラスト

パパとお嬢様の違いはありますが、こんな感じです。

 

可愛い♡ 

 

ご主人のご両親がまだお見えでないということで、お店に入らずにお待ちになるということです。

 

しばらくすると、黒服さんが

”和室のお客様、入って頂いていいですか?”

 

”さっき、お声をかけました。ご両親をお待ちになるそうです”

 

また、しばらくすると、今度は板長が

”赤ちゃん連れのお客様が、もうお待ちだよ”

 

だからぁ(←心の声)

”さっき、お声をかけました。ご両親をお待ちになるそうです”

 

もう、みんな、たくさんのご予約をなんとかスムーズにこなそうと、前のめりです。

もしくは、私に対して心配性?

ホールもお部屋もご予約でいっぱいです。

私はお部屋3つ(本来4部屋、1部屋はつなげて広く使っています)全てを担当しまければなりません。

時間差が頼りです。

でも、もっと頼りになるのは仲居さんのお仲間です。

御自分もホールのほうで大変だと思うのに、手伝うねと言ってくれます。

 

と、ここで、赤ちゃん連れのお客様よりも30分遅いはずの大人4名様のお客様がご到着です。

 

ご案内して、お飲み物をお伺いしている間に、先ほどのお子様連れのお客様のご案内からお飲み物までを、早速、先輩仲居さんが引き受けて下さいました。

 

ありがとうございます。

後は、何とか、時間差を付けながら配膳します。

 

普通、私共仲居さんが、床の間の前を通ることは致しませんが、お子様がちょこちょこと可愛らしく動かれる場合は、そうも言っていられません。

私は ”お高い所を通らせて頂きます”と、お声をかけております。

私の行儀は店の品位にかかわって参りますので、弁解をしておきませんと。

 

”もう、どこでも通って下さい。お邪魔ですみません” と、言って頂きました。

 

ずっとご機嫌だったお嬢様が、ぐずりはじめました。

若いお母様が気になさいます。

 

”すみません。うるさくて。眠いのかな?眠いなら寝てくれればいいのにぃ”

 

飛行機の中で、赤ちゃんが泣いているのを ”うるさい!”と怒鳴った男性に対して、第三者のご婦人が ”赤ちゃんは泣くのが仕事です!”と、ビシッとおっしゃって、若いお母様を助けて差し上げたというお話を聞いたことがあります。

とても素敵なお振る舞いですね。カッコイイです。

でも、憧れはしますが、私が言うには貫禄不足です。

でも、今、気を使っていらっしゃるこの若いお母様に、私も何か言って差し上げたい、、、

ええと、、、

 

”お嬢様は、お小さくていらしても、私は簡単な女じゃないのよ。と主張されておいでです”

 

ん?これで、良かった?

 

若いお父様が ”そうかぁ。そうだよね” とおっしゃって、皆さんが笑って下さったので良しとしましょう。

 

その後、何度かお部屋に伺うと

お祖母様が ”パパが好きなのねぇ” と何度かおっしゃっておいででした。

なぜ、それを淋し気におっしゃるのか不思議でした。

 

 

お祖母様が、両手を広げてお孫さん迎える体制をとられたので

”まあ、良いこと!おばあちゃんに抱っこしてもらうのぉ”

と、私の前にたたずんでいるお子様にお声をかけました。

 

お孫さんも両手を広げて、お祖母様の腕の中

 

これって、ふつうの出来事ですよね。

 

ところが、若いお父様とお母様が、お二人で、”写真!写真!”とおっしゃって、一眼レフとスマホで激写なさいました。

この慌てたご様子にちょっと、ビックリ致しました。

 

お祖母様がおっしゃるには

”初孫なんです。早く会いたかったのですが、コロナで、、、岡山から東京に出てくるのが良い事かどうか考えてしまって、、、今、コロナが落ち着いているので、今だ!と思って会いに来たんです。もう、可愛くて、、、(泣きそうです)でも、なかなか抱っこさせてもらえなくて、、、今、初めて私の所に来てくれました”

 

お祖母様が抱っこしようとすると、嫌がってパパの元へ逃げてしまったそうです。

だから、”パパが好きなのね”が、なんとなくお淋しそうだったのですね。

 

コロナで、どこへもお出かけにならない、お訪ねになる方もいない、そんな環境の中では、お子様の身近にいらっしゃるのはお父様とお母様お2人だけです。

お祖母様とはいえ、すぐには甘えられないのは当然なのかもしれません。

 

コロナの禍は、いたるところにありますね。

 

お帰りには、お嬢様とお祖母様が手をつないで行かれました。

私にはバイバイと手を振って下さって、ハイタッチ。

お隣のお部屋のお客様にもバイバイをなさって、ご機嫌でした。

 

追記

話題に出なかったお祖父様ですが、こちらはすんなり抱っこに成功!

だって、笑っちゃうほどパパさんにそっくりなんです。