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仲居さん日記57

母娘さんのお客様です。

お母様の車椅子をお嬢様が押していらっしゃいます。

 

お母様は80代とお見受けいたします。

 

K店長(←新しい店長です。お若くて働き者)が、ささっと椅子を片付けて、お客様には、車椅子のままテーブルについて頂きました。

 

     

 

お母様が窓際に、お嬢様はそのお隣に座られました。

 

お母様は、嚥下機能が低下なさっているのだそうです。

そのため、お嬢様はとろみをつけるものをご持参されて、お隣でお世話なさるとのことです。

 

ふと、デザートのことが気になりました。

昨日までは、小豆のアイスをお出ししておりましたが、わらび餅に変わると聞いております。でも、まだ、アイスもあったはず。

アイスの方が召し上がりやすいと思われます。

他の方に出される前にアイスを2個キープしておかなくちゃ!

 

板長に、

”お母様が嚥下が上手く出来ないとおっしゃって、お嬢様がとろみを付けながらお食事なさるということなので、デザートはアイスの方がいいと思うんですけど、、、”

 

”わかった。その方がいいね”

 

そして

 

”お造りも細かく切った方がいいならそうするよ”

と、言って下さいました。

 

お嬢様に伺うと、細かいよりも薄い方がありがたいということでしたので、板長にお願いしました。

 

”ああ、いいよ” と。

 

こういうの、本当にありがたいです。

 

盛り付けをし直したお造りを見て、板長が

”おお、何か量が増えた感じで、この方が見栄えがするねぇ”

 

”ほんと!立派!” と、つい言ってしまった私。

いえいえ、リアクションを間違ってしまいました。

手間をかけて下さったというのに、お礼を言うべきでした。

反省。

 

板長は天ぷらもカットした方が良いのではと、心配して下さいましたが、それはお嬢様がご自身でなさるということでした。

ハサミもご持参なさっておいででした。

 

やはり、お料理は見た目も大事です。

 

母が、右手首を複雑骨折したときのことです。

とても親切な病院で、焼き魚は骨も取って、細かく食べやすくして出して下さいました。

が、母は、

餌みたいで嫌!と言って食べませんでした。

 

お客様には、シャキ~ンとした姿のままの海老の天ぷらをお持ちできて良かったです。

 

細々とお世話するご様子は、何年後かの私たち母娘を見るようでした。

いえ、私はこのお嬢様のように優しく出来ないかもしれません。

 

一人で、お肉をパクッと食べることの出来る今の母には感謝をするべきなのかもしれません。

 

お帰りには

”親切にして頂いてありがとうございます。また来ます”

と言って頂けました。

 

嬉しかったです。

 

車椅子でも、入れるゆったりとしたスペースの店舗

車椅子用のトイレもあって、高層階までのアクセスもOK

地下には駐車場もある

 

条件に合うお店はそう多くはないと思います。

いろいろと調べて、バイト先にご来店下さったのだと想像します。

 

これからもお二人の外食の選択肢の一つになれますように!

 

 

母が杖を使うようになって感じます。

足の悪い人に優しい環境にはまだまだなっていません。

 

エレベーターがあると言っても、後で無理やりに設置したので、解かり辛い場所にあったり、ホームの端っこのあって、そこまですごく歩くことになる場合も多いです。

 

それでも、母は杖なので、私と手を繋いで頑張って歩きますが、車椅子の方はもっともっと行動が制限されると思います。

 

車椅子でも、行きたい所に行ける!

早く実現するといいですね。