先々を考えているつもりでも、想像とは違う現実がやってくるものです。
もっと、もっと着物を着る生活をするつもりでした。
今日は帝劇明日は三越 とまでは行かなくても、たまには母とお気に入りの着物を着て歌舞伎を見に行きたいとか、夜は敷居が高いけれど、ランチはお手軽!みたいなお店で優雅にお食事をしたいとか思っていたのです。
ところが、コロナでお篭り生活になりました。
それ以上に、決定的なのは、母が肩、腰、膝だけではなく、緑内障で目がほとんど見えなくなったことです。
母には安全が第一。
手を引く私も、着物を着る余裕はありません。
鬱々としておりました。
”いつ着るの?”
答えは
”今でしょ!” ですよね。
着てみました!
何処にも出かけないのに???
いえいえ、気分が上がりました。
< 前姿 >
< 後姿 >
加賀友禅の訪問着です。
~ 友禅染について
友禅染にも色々あります。
京友禅、加賀友禅、そこに江戸友禅を加えて、三大友禅というそうです。
この着物の染には、外側が濃くて、中の方へぼかしていくという加賀友禅の特徴がでています。
京友禅は、逆に内側が濃くて外へぼかして染められてあります。
もっと分かりやすいのは、京友禅ですと、金箔が使われていたり、絞りの部分があったりします。
~ 訪問着について
裾模様があるから訪問着ではありません。
訪問着の最大の特徴は、衿、肩、袖にかけて柄が続いているということです。
着物は、礼装、正装、おしゃれ着というふうに分けられます。
訪問着は正装です。
では、礼装は?というと、ミセスは留袖。ミスは振袖です。
留袖は、黒でも、その他の色でも格の差はありません。
黒留が上と思っていらっしゃる方が意外と多いですよね。
訪問着には袋帯が相応しいと思います。
でも、袋帯でなければならないというものではありません。
時短で着付けをしなければならない時や、二重太鼓は苦手という時は、名古屋帯でも、刺繍のある物、金糸銀糸が使われている物、また、古典柄の方が格が高いといわれるので、そういう名古屋帯を選ばれたら良いと思います。
訪問着にあわせて、帯揚げは絞り。
帯締めは、銀糸が使われているものを選びました。
今回は、お正月ということもあって、ビーズの半衿を付けて、重ね衿(伊達衿ともいう)をしています。
お正月の晴れ着がテーマですが、このままの姿で結婚式に参列しても大丈夫なコーデとなっています。