母と私の着物ぐらし

着物の決まり事 日々のコーディネート 趣味の茶事 母との暮らし 仲居さんのバイト

仲居さん日記20~舞台裏

コロナ禍で、お客様のご来店は激減!

予約表は真っ白!

 

なので、バイトの仲居さんは、一人体制なのです。

土曜日には、ご予約2組様のみでしたので、今日も一人に違いないと思っておりましたら、30分の時間差で大好きな先輩が出勤されました。

 

もう、テンションMAX

         万歳をして喜ぶ人のイラスト(女性)

昨年の12月以来、ひと月近くもお会いしていません。

 

バイトを始めた頃、色々と失敗するたびに、相談にのって下さったK先輩です。

Kさんの口癖は ”いいよ、いいよ。”

 

この言葉にどんなに救われたか知れません。

 

言葉だけではなく、解決もして下さいます。

御自分のことは後回しで、ご指示下さいます。

”ちょっと待って” と、言われたことがありません。

 

本当は、いつもご一緒したいんです。

お尋ねしたいことがたくさんあります。

 

お客様は、100人いらしたら100通り。

リピーターのお客様でも、お連れの方も変わりますし、ゆっくり召し上がりたい日も、お時間の無い日もございます。

心地よい配膳を心がけてはおりますが、難しいです。

特にお部屋は、お客様のご様子がわからないので、その度に悩みます。

 

ある日のこと。

11:30ご予約のごお客様で、接待のご利用でした。

11:30開店の店です。

店の前に椅子のご用意もありますが、開店まで扉を半分閉めている段階で、”いいかなぁ” と ご入店されたので、お部屋にお通ししました。 

 

早めにご来店ということは、後のご予定もあるのかしら?

お急ぎかしら?

お飲み物も、お茶で良いとのことで、午後もしっかりお仕事なさることがわかります。

 

最初のお料理はすぐにお持ちして、2品目も10分足らずでお持ち致しました。

 

ところが、、、

 

何方様も、お箸を付けていらっしゃいません。

 

”申し訳ありません。お箸をお取り上げになっていらっしゃらないうちに、次のお料理をお持ちしてしまいました。”

 

すると、一番上座のお客様、流石です。

 

”ああ、いいよ。頂くよ。さあ、頂こう。” と皆様にお声かけをして下さいました。

お偉くなる方は、私のような下々の者にもお心配りをなさいます。

 

ほっと致しましたが、次のお料理のタイミングも難しくなりました。

 

 

こういう時です!

K先輩が居て下さったら、

”ええーーー何方も召し上がってなかったの?ちょっと慌てたよね。いいよ、いいよ。”

って言って下さるはず。

 

”次は、普通のタイミングでお持ちして様子みたら?” などとアドバイスを下さるはずなのです。

 

それを、コロナ禍の今は、頭の中で一人コントして、時にはぶつぶつと独り言を言いながら、淋しくお仕事しているのです。

 

年末には、自分の雑な性格にガッカリして、メールで愚痴を言わせて頂きました。

励ましのお言葉と、可愛いスタンプに、元気を回復いたしました。

 

 

久しぶりに拝見する、Kさんの仕事ぶりは、勉強になりました。

 

ご予約のお電話の時に、アレルギーや、お嫌いな物をお伺いするのですが、それにもれることってあります。

お電話を下さった方が、お連れ様の好みをご存じない場合もあるのです。

 

昨日も、Kさんと二人で、天ぷらをお出ししておりましたら、”揚げ物だめなんだ” と、お一人がおっしゃいました。

             天ぷらのイラスト   

お連れの方が、包んでもらってお土産に持ち帰ったらとおっしゃったのですが、コロナの今は、お持ち帰りをお断りしております。

Kさんは、その事情も、説明し、お客様にも納得して頂いて、その方が召し上がれない天ぷらは、何方かに召し上がって頂くことにしました。

 

そして、Kさんは板場と相談して、お魚をお出しすることを決め、客席に戻り、

 

お魚は召し上がれるかを確認し、

 

今回は、特別に別のお料理を用意させて頂くこと

(基本は前日まで、少なくても、ご来店時にお申し出頂かないと対応は難しいです)

 

お時間を頂戴することを申し上げ、、、、と、素早い行動。

 

すごい!さすが!です。

 

Kさんだから、板場も快く対応してくれます。

普段の信頼関係が大きく作用します。

お客様にも、特別なサービスです!をアピールし、時間がかかることも事前にお断りする。ここ、大事です。

とてもお勉強になりました。

 

ご一緒出来て、本当に嬉しくて、私、はしゃいでしまって、、、、、

 

おしゃべりし過ぎと、店長に叱られました。

 

日常が戻って、ご予約がたくさん入って、皆さんとご一緒に働ける日が来るのを楽しみに、当分一人体制で頑張るしかないようです。