~ありがたいことに、昨日は満席の日曜日でした
バイト先をご両家のお顔合わせに使って下さるお客様は多くいらっしゃいます。
喜びの中にも緊張感があって、担当させて頂く私ども、それなりに気を使いますが、初々しいお二人を応援したいという気持ちが湧いてきて、楽しいお仕事です。
色々な方がいらっしゃいます。
大抵は、乾杯の前に、もうすぐ花婿さんが、ご挨拶とご紹介をなさって、”乾杯!”となり、お料理がスタート致します。
以前、お飲み物が揃って、”お待たせいたしました” と申し上げましてもシ~~~~ン、何方もグラスをお持ちにならない事がございました。
そこで、花婿さんに
”お客様、お客様が、何かおっしゃって下さいませ” と、申し上げると
“何と言えばいいんですかぁ”
”今日は、僕たちのためにお集り頂きありがとうございます。とか、、、”
”今日は、僕たちのためにお集り頂きありがとうございます”
ーーーおっと、そのままかぁ。でも、なんと可愛らしいこと!
皆さんも一瞬にして笑顔になられたので良かったです。
しかし、その後が続きません。
”乾杯なさいますか”
”はい。乾杯!”
ようやく配膳が始められました。
あの時の花婿さん、どうしていらっしゃるでしょう。
きっと、奥様の尻に敷かれて、お幸せになさっていらっしゃることと思います。
さて、昨日のカップルは、ご予約の時間のかなり前にお出でになり、ご両親様をお出迎えなさる体制を整えていらっしゃいました。
お手作りの、しおりのようなものを各お席に置いて、準備万端!大切な日をお二人で力をあわせて乗り切ろうというお気持ちが出ています。
お一人様、エビ&カニのアレルギーがあると伺っていました。
揚げ物にエビが使われているところを、板場の方でホタテに変えて献立を組んでくれています。
”あのぉ、エビとカニのアレルギーがありまして”
”はい。お一人様、アレルギーの方がいらっしゃると伺っております。エビの代わりにホタテを使わせて頂きます”
”ありがとうございます。それ、僕なんです。でも、間違って配ったとしても、取り換えますので”
ーーーん?笑いをこらえて、裏へ入りました。今日は先輩仲居さんがご一緒なので、
もう、話したくてたまりません。
”〇〇さん!アレルギーは今いらしている、今日の主役の男性の方だそうです。
それがですねぇ~エビNGなんですが、間違ってお料理を配っちゃっても、取り換えるから大丈夫だって言われました。優しいんですけど、なんで、間違っちゃうことが前提なんでしょうねぇ” (笑)
”珍しいね。そこまで。まっ気をつけようね” (笑)
皆さまがお揃いになりました。
お部屋を覗かせて頂くと、花婿さんが、一人お立ちになって、ご挨拶をなさっています。
頑張っていらっしゃいますね。順調のようです。
お食事が始まりますと、お父様同士が蕎麦焼酎をロックで召し上がって、打ち解けたご様子です。
お母様同士もお話が弾んでいます。
ほっと致しました。
ご両家のお顔合わせでは、緊張のあまり静かにお食事が進んでいくことが多いのです。
味わって下さっているかな?と心配になることもあります。
昨日は、お隣のお部屋まで笑い声が響いてくるほどの楽しそうなご様子でした。
花婿さんは、私が器を下げる時も、取って下さったりと、優しく気配りをなさいます。
”ありがとうございます。助かります。いい旦那様におなりになりますね”
”ありがとうございます”
お嬢様もとても可愛らしい方でした。
お話を漏れ伺いますと、
未来の旦那様に何の不満もないけれど、ただひとつ。”お米がすごく減るのぉ~”とのこと。
”お茶碗を買いに行ったんですよ。彼が大きな丼を持っているから、ラーメン用?って聞いたら、僕の茶碗って言われて、笑っちゃいました”
それを聞いた私。
召し上がっていたコースのお食事は栗ご飯をご用意しています。
前日も盛り方が多過ぎると、板場からご注意を頂いたのですが、一つだけぎりぎり大盛にさせて頂きました。
だとしても、足りるでしょうか?
松茸ご飯と、栗ご飯は、お客様に言われるまで、お替りが出来るとは言ってはならない雰囲気なのですが、我慢できずに言ってしまいました。
”一つだけ大盛にはさせて頂きましたが、どうぞ、お替りを申し付けてくださいませ”
よし!目立たないように、ササっとお替りを持ってこようと思っていたのですが、今は、仲居さんの時給にも注意が払われるバイト先の事情もあり、私は、時間で帰されることになってしまいました。
あの後、どうしたかなぁ。ちと気がかりです。
もしも御所望があっても、優しい先輩仲居さんなら笑顔で対応してくれたはずです。
そこは心配無し。
ですが、黒服さんが対応したとなると、
また、〇〇さんが、余計な事言ったんだなと思うかもしれませんね。
まっいっか。