母と私の着物ぐらし

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茗荷~春菊~栄螺のうろ

幼い時は、大の苦手な食べ物だったのに、大人になると(お酒を飲むようになるとでしょうか?)大好物になるものってありますね。

 

ピーマン、ニンジン、セロリなども苦手でした。

母が何とか食べさせようと、頑張って細かく切っても、隙を見て分別していました。

 

ですが、いつの頃からか、好んで食べるようになりました。

 

             ニンジンを食べているウサギのイラスト

 

市販されている野菜は、そのものの香りが薄くなったように思います。

苦手を克服するには良いのですが、栄養的にはどうなのでしょう?

群馬の叔父や叔母から届くニンジンの香りは強く、苦手だった時のことを思い出します。

 

無理やり食べさせられる野菜が多い中、食べなくても特にお構いなしだったものがあります。

茗荷、春菊、栄螺のうろです。

 

全て、今や大好物です。不思議ですね。

 

茗荷って、けっこうお高いですよね。

私の場合は、叔父や叔母がその時期に山と送ってくれます。

先ずは、刻んでおかかを乗せて、お醤油をかけただけで頂きます。

そうめんの薬味にも贅沢に使います。

塩漬け(浅漬け)や天ぷらも美味しいです。

 

茗荷の欠点は、傷みやすいこと。

傷む前に、縦に半分か大きいものは1/4にカットして、たっぷりの塩に漬けてしまいます。

塩抜きをしないと食べられないほどにしないと、冷蔵庫に保存でもカビてしまいます。

 

お酒の後の〆のご飯のお供にはなかなか良いです。

この夏、この塩漬けを冷凍してみたのですが、シャキっとまでは行きませんが、繊維の感じは残っていて、茗荷、終わっちゃったねぇ⤵ の時にはありがたみがありました。

 

 

親には、子どもが食べられなかった時の記憶が強く残っているようです。

子どもの方は、いつの間にか大人の味覚に変わっているのに、親は意外に気付きません。

 

お鍋に入れる春菊は、ササっと火を通して食べたいので、後で入れますよね。

さて、春菊入れて食べよ♡と思って、お鍋に入れると、母が素早く自分の小鉢に取ります。

母は、春菊が大好きだと知っているので、まっいっか。

もう一度春菊を入れると、また母が、、、

三度目を食べられてしまった時は、さすがに私も言いました。

 

”次に入れる春菊は私が食べるから”

 

”えええええーーー、お前、春菊嫌いでしょ。さっきから、春菊ばかり入れるから、あんまり煮ると美味しくないのに、何やってるのかと思って、お母さん、頑張って食べちゃったじゃない”

 

 

もっと痛い経験は、栄螺のつぼ焼きです。

             サザエのイラスト

 

慎重に回しながら栄螺の身を出して、うろの先の先まで綺麗に取れたので、やったぁ~と思って、”お母さん、ほら、綺麗に取れたよ!” と母に見せたその瞬間、パクッとうろの部分を食べられてしまいました。

止める暇も、手を引く暇もありませんでした。

 

確かに、子どもの頃は、そうやって母に食べてもらっていました。

でも、お酒と一緒に味わうのを楽しみにしてたのにぃ。

 

”何で食べちゃうのっ”

 

”だって、苦いから嫌いって言ってたでしょ。お母さんの目の前に寄こすから食べてくれってことかと思うじゃない”

 

 

そんな経験の後も、やはり、上手に取れると、母に見せたくなります。

 

”ほら、お母さん!見て!見て!綺麗に取れたよ!”