25歳の青年が主賓のお席。
ご両親様と、お祖母様と4名様のご会食です。
何か難しい試験を終えられ、どうやら合格なさったご様子です。
優秀でいらっしゃるのも素晴らしいことですが、お祖母様がお手洗いに行かれるのに付き添われるという優しい方です。
”大丈夫よ” とおっしゃるお祖母様に ”僕も行きたいから” と。
お帰りも、ちゃんとご一緒でした。
91歳のお祖母様ですが、杖も使わずに歩かれます。
我が母を思うと羨ましいです。
お祖母様の微笑ましいご関係は、お孫さんだけではなく、青年のお母様であるお嫁さんとも、実に自然に仲良しなご様子で、初めは、ご両親のどちらのお母様かわからなかったくらいです。
91歳とは思えない羨ましいほどの綺麗なお肌のお祖母様です。
”そういえば、お母さん、きゅうりのパックしてたわね”
”そうそう。でも、もうしてないわ”
まるでお友達どうしの会話のようです。
お祖母様は、私にも、”着物、綺麗に着てらっしゃるわ” とお声をかけて下さいました。
お料理も器も誉めて下さいます。
ご機嫌麗しいご様子で、話しかけて下さるのですが、残念ながら、その日はバタバタしていて、十分にお話を聞くことが出来なくて申し訳なかったです。
お部屋代も、サービス料も頂いておりますのに、、、
それより何より、素敵に年を重ねていらっしゃるお祖母様のお話を私が伺いたかったのに、とても残念です。
もっと私のやり方を工夫すれば何とかなったのでしょうか。
12時ご予約の4名様づつのお客様を2部屋同時に担当でした。
以前は、こんなことはなかったのです。
1部屋づつ担当がおりました。
コロナ禍で、人も減らしています。
こちらのお部屋のお料理をお出ししながら、別のお部屋が気になります。
他の仲居さん方は、ちゃんとこなしているに違いないのです。
私は要領の良い方ではない上、粗忽なところがあるので、無駄に時間を使ってしまうことがあります。
これでも、毎回反省はしているのです。
ただただお料理を運ぶだけでは、本当につまりません。
でも、コロナ禍での職場は、みんなで少しずつ我慢して、みんなで少しずつ以前よりも頑張らなければなりません。
楽しくお仕事できるかどうかは、やはり私自身にかかっているようです。