唯一長続きしたお稽古事が茶道です。
先生と、何よりお仲間に恵まれたことが大きかったです。
自宅でお客様を招いてのお茶事を楽しみにしておりましたが、コロナ下では難しく、早く治まることを祈るしかありません。
お茶事が出来なくても、茶人の香りのする生活を過ごしたいものですが、根が怠け者なので、床の間にお軸も下げずに過ごしておりました。
床の間を空にしておくとオバケが出るって先生がおっしゃっていました。
戒めですね。
母が、誕生日のお祝いに頂いたお酒を床の間に飾る様子を見て、送り主への感謝の気持ちを感じました。
床の間とは、そういう特別な場所です。
母のお酒が置かれている床の間にお軸が無いのはダメですよね。
あわてて、お軸を選んだという訳です。
9月に相応しいものとして、月を選びました。
私が持っている唯一の横物であり、唯一の画賛です。
月と、すすきが描かれているところに和歌が書かれています。
大徳寺 黄梅院 小林太玄和尚のお手です。
和歌は、江戸時代の大徳寺四百三十五世の大綱和尚の遺詠ということです。
修行を重ね、穏やかな心境に入り、静かにすべてのものを平等に照らす満月のように、人々の心の闇に光を灯そうとの、和尚の強い決意のようなものを感じます。
そして、私には、優しい人におなりなさいと諭して下さっていると思えるお軸です。