出来れば、雨の日に、着物は避けた方が良いのかもしれません。
それでも、どうしても着物で出かけたい場所もあります。
私の場合は、着物でそのままアルバイトなので、雨の日でも着物で出かける必要も出てきます。
和装の雨コートの一般的なものがこの形です。
これは、絹で出来ています。
ポリエステル製もありますが、絹は、暖かくて、しかも、涼しい反面、扱いが面倒で高価だという欠点があるのは、着物も雨コートも同じです。
この雨コート、買ってくれた母には申し訳ないほど着ていません。
この形ですと、少し前にこごむだけで、裾を踏みそうになってしまうのです。
平らな場所は良いのですが、階段の上りでは、裾を持たないと危ないです。
雨の日は傘があって、バックもあって、、、
面倒です。
面倒ですが、体裁を整えなければならない時は、これを着ます。
あまり頻繁には袖を通さなくても、私にとっては必要なものです。
2部式の雨コートもあります。
これですと、階段もかなり上りやすくなります。
ただ、おそらく一着分の雨コートの生地で上下を作っているのだろうと思います。
上着の方は、ほぼ道行と同じ形なので、道中着としても着られますよ!と、呉服屋さんは言いますが、丈が短いです。
最近は、道行は長めの物をお召しになる方が多いので、余計に短く感じてしまいます。
この問題は、2着分のコート地を使って仕立てれば、丈を十分に取ることが出来るので解決出来ますが、雨の日に着物で外出することは、そう度々は無い中で、そこにそんなにお金をかけたくないですよね。
私のお勧めは、出来上がりの2部式着物を雨コートとして着ることです。
このように、着物を着た上に重ねて着てしまいます。
2部式着物の中には絹のものもありますが、雨コートとして利用する場合はお勧めしません。
ポリエステル製の物をお手軽に求めて、泥跳ねがあがったら洗ってしまいましょう。
とても気が楽になります。
2部式着物にも、単衣のものや、薄物もありますが、雨よけが目的なので、袷の物が良いと思います。
単衣ですと、雨を通してしまうことがあります。
とはいえ、暑いのも辛いので、少しの雨でしたら単衣のもので大丈夫です。
裾の 泥跳ねが一番の心配です。
裾を濡らすのも避けなければなりませんので、着物は、くるっと裏返して、腰ひもなどでしっかりとおさえます。
雨の中を歩いていて、ゆるんで裾が落ちてしまったら、パニックです。
心して締めます。
腰巻(2部式着物の下の部分)は、気持ち短めに裾線を決めた方が良いと思います。
雨降りの日は、蒸し暑いこともあります。横殴りの雨でなければ、私はこのスタイルで出かけてしまいます。
袴を着けているような姿になってしまいますが、雨の日に着物ですと、周りの方も、変よ!それ!というよりも、雨の日に大変ねぇ という優しい目で見て下さいますので大丈夫です。
逆に、洗える着物だから濡れても平気!と思って、何の手当もせずに出かけたり致しますと、諸先輩が、心配そうにこちらをご覧になります。
その視線に私は耐えられません。
着物と同系色のものだと目立なくなりますので、着古した洗える着物で、この腰巻の部分だけを何枚か作りました。
襟を外して、決めた丈に切ります。
襟だった部分は幅半分に縫って、紐に使えます。
袷の2部式着物を、着物の上に重ねて着ますと、防寒にはなるのですが、5月ともなると暑いです。
蒸し暑いけれど、強い雨から上半身も守りたいときは、私は単衣のポリエステルの道中着を着ます。
これは、単衣の着物だったものを母がコートに直してくれたものです。
無地に見えますが、細かい縞柄です。
単衣の時期には、ポリエステルの紗のコートを着ます。
化繊は紗といえども、暑いですが、見た目は涼しそうになります。
2部式着物の別の利用法として
上着の方だけを道中着として着ることもできます。
道行は長めが流行りですが、この形ですと、短い丈も気になりませんし、サイドの蝶々結びが可愛い感じになります。
また、お出かけ前に、ちょっとした家事をするときに羽織ると、着物を守ってくれます。
ササっと食べてから出かけようとしますと、そんな時ほど胸にお醤油がはねたりしてしまうのですが、これを着ていれば安全です。
水屋着の代わりとしても使えます。
2部式着物を一着お持ちになると便利です。