母と私の着物ぐらし

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着物コーディネイト~基本(女性)~

 着ていく着物をあれこれと迷いながら選ぶ。そして、その着物に合う帯を決める。

楽しい作業です。

でも、私の場合、大事なお出かけには、母に確認せずにはいられません。

”この着物にはこの帯でいいの?”と。

 着物と帯には、柄や色合いを合わせるというだけではなく、格を合わせると言いますか、決まりごとのようなものがあります。

 ♪ 京都~大原~三千院 ♪ で始まる 女ひとり という曲、永六輔さん作詞ですが、

その中の1番に  結城に塩瀬の素描の帯が

    2番に  大島紬につづれの帯が

    3番に  塩沢かすりに名古屋帯

というのがあります。正しくそういうこと。

ここに出てくる紬のように、普段に着る趣味の着物のコーディネイトが一番楽しいですが、その前に、基本的なことをおさえておきます。

 

<着物の礼装>

 ミスの第一礼装は振袖です。

袖が長いほど格が高くなります。

現在、普通に振袖と言われるのは、中振袖のことで、その上の大振袖は花嫁衣装に用いられます。

身長にも因りますが、振袖の長さはほぼ95cmくらい (着丈よりも36cm短いくらい)で、それよりも短いものは小振袖です。

 最近の振袖は、洋花が描かれていたりと現代的な模様の物も多く見られますが、

古典柄の方が格が上とされています。

 帯は袋帯を締めます。金糸銀糸が使われ、刺繍のあるものが格の高い帯です。

可愛らしい変わり結びが流行ですが、ふくら雀が一番格の高い結びです。

 

 ミセスの第一礼装は、黒留袖、色留袖です。

色は違っても格は同じです。金糸銀糸を織り込んだ袋帯を締めます。

 

<準礼装(正装)> 

 では、準礼装、いわゆる正装はというと、色無地、訪問着になります。

遠目には無地に見えるほどの細かい柄の江戸小紋は、色無地と同等に扱われます。

 

 色無地に紋を付けることで、格が上がり、あらたまった席に着ることが出来ます。

寒色系のものに、帯、その他の小物を黒にすれば、喪服の正装にもなります。

 

 訪問着に紋を入れる方もいらっしゃいます。

私は、紋を入れてまで訪問着の格を上げるのでしたら、色留を選びますが、色留は、黒留同様に裾模様だけなので、テーブル席に座ると、柄が見えなくて淋しいとおっしゃる方がいらっしゃいます。また、逆にお顔のまわりに柄が無い方が、お顔がすっきりと綺麗に見えるとも聞いたことがあります。お好みですね。

 

 ミスの方でしたら、小振袖に仕立てると、可愛らしいですし、格も上がります。

袖の長さは後で詰めることも出来ます。振袖を着られるのは一生の本当に短い間です。

是非、振袖をお召し頂きたいです。

 

 訪問着には、袋帯を締めます。よりフォーマルにというのであれば、やはり金糸銀糸で織ったものが良いと思います。

 

 ミスの方でしたら、お太鼓ではなくて、変わり結びや、文庫など華やかに楽しんで頂きたいです。

 

小紋を楽しむ>

 全体に細かい模様が上下関係なくあるものが小紋です。

結婚式などのあらたまった場所に着ていくものではありません。

 

 江戸小紋は、特別です。

江戸小紋は色無地に準じるので、紋を付けて、袋帯を締めれば格が上がります。

江戸小紋の中にも色々あり、霰とか鮫とか格が高いとされる染があります。

 格の高い染を選んで、1つ紋を付けておけば重宝すると言われます。初めて作る着物は色無地か江戸小紋とお勧めになる先輩方が多いです。

でも、私はたった一人の可愛い妹弟子(お茶を習っています)には、先ずは訪問着を作ることを勧めました。お茶会で、皆さんが綺麗な裾模様の訪問着を着ているときに、どんなにお気に入りの色合いに仕上がった色無地だとはいえ、淋しいです。

それに、色無地の場合は、帯がとても目立ちます。

逆に、自慢の帯を締めたくて、あえての色無地も有りかと思えるほどです。

 私も色無地1つ紋を持っていますが、卒業式の袴下と、お茶のお稽古以外に着たことはありません。

 

 小紋には袋帯でも、名古屋帯でも締めて頂けます。

袋帯の方が名古屋帯よりも格は上です。

訪問着のところで、袋帯を締めると申しましたが、名古屋帯であっても、四君子模様のような格の高い柄行で、金糸銀糸で織られたり、刺繍のある名古屋帯でしたら、訪問着にもふさわしいと思います。

 

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例えば、左の写真は、縮緬小紋の紅型に合わせていますが、花丸という古典的な柄で、しかも四君子で、全通柄というこの名古屋帯でしたら訪問着にも十分に締められます。

 

 

 

 

 熨斗も格の高い柄と言えます。

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 左の帯も訪問着でも合わせられます。

 

 

 

 ミスの方の小紋の振袖も可愛らしいものです。小紋でしたら、どこで切っても大丈夫なので、お袖を詰めるもの簡単です。

 

<紬を楽しむ>

 大島紬、高価ですね。結城紬、さらにお高いかも。

でも、どんなに高価であっても紬は普段の着物です。

 白地の紬に裾模様を後染にした大変贅沢でおしゃれなものもありますが、結婚式のような場所にはふさわしくありません。

 

 織の着物に染の帯 これが基本です。

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←  こんな感じです。

紬は趣味の着物なので、決まり事というよりは、より素敵な合わせ方を目指すという感じでしょうか。

 

高価な大島紬であっても、金糸銀糸の袋帯では合いません。

新年会で華やかな訪問着に、塩瀬の椿の帯ではいくら季節にピッタリでも素敵とは思えないのです。

 

 私の日々の暮らしの中でのコーディネートをブログで紹介させて頂いています。

母のチェックも通ったものですので、参考にして頂けたら嬉しいです。