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歩々庵だより2~2024年2月の茶事その1

2月初めのお茶事に向かって準備中です。

 

 

1,濃茶はどうしましょ

 

コロナ禍で、濃茶の回し飲みをしなくなりました。

お家元も各服点を推奨しておられます。

 

実は、初めて濃茶を頂いたときには、一椀のお茶を皆さんで頂くという作法に驚きました。

というか、少なからず抵抗がありました。

 

回し飲みには

客同士の心を一つにする

という大切な意味があります。

 

戦国時代の戦々恐々、疑心暗鬼の中では

みんなで飲むものに毒なんて入れないよぉ~

という意味もあったとか、、、

 

因みに、茶入れの蓋の裏には金が貼ってあるのですが

金は、毒に反応して変色するとのことで

ほら、大丈夫ぅ~変色してないから毒は入ってないよぉ~

という意味もあったとか、、、

 

濃茶を練るには時間がかかるので、時間の節約のため

という説もあります。

 

今回のお茶事でも、濃茶はお一人ずつに差し上げたいと思います。

 

 

ありがたいことにお客様は、マックスの5名様

お誘いした全員の方から、ご出席のお返事を頂きました。

うれしいっ!

 

ん?

濃茶茶碗、5個あったかな?

 

初釜なので

おめでたく嶋台の重ね茶椀を使うとして

+黒楽

+赤楽

+萩

 

大丈夫!出来そうです。

嶋台は、赤楽なので重なっちゃいますけど、良しとします。

 

 

嶋台(しまだい)茶碗

 

嶋台茶碗というのは、これです

 

 

赤楽茶碗2碗のセットで、大きい方の内は銀

小さい方の内は金になっています。

 

 

大きい方の高台は、六角形で、亀を表します。

 

小さい方の高台は、五角形です。

こちらは鶴ということになっています。

 

六角形は亀甲紋を連想させ、亀を表しているというのはしっくりくるのですが

では、五角形が鶴って!???と、なりますが

 

理由があります。

鶴は、大空を飛ぶ姿が、陽の気を象徴しているのだそうです。

なので、陽の気を持つ奇数の5を鶴としたということです。

 

だったら、3でも、何だったら、奇数最強の9はどうなの?

と、なりますが、デザイン的にもやはり5なのではないでしょうか。

 

5と6で語呂が良い

 

かなり、私見が入りました。失礼しました。

 

 

二つを重ねて持ち出し、重ね茶碗というお点前で使われます。

重ねるというのもお祝い事に相応しいです。

 

 

普通、濃茶を回し飲みするときは、1碗で5名様までです。

なので、お客様が大勢様の時に、茶碗を重ねて持ち出し、

2碗の濃茶を点てるという方法です。

 

では、嶋台茶碗の、嶋台って?

 

嶋台というのは、婚礼などの祝儀の宴席などに用いる飾り台のことで

州浜をかたどった台の上に、松、竹、梅、鶴、亀を飾ったものです。

 

州浜をかたどった台というのは、島に周りから波が打ち寄せたような、くねくねした形のお盆に足が付いたものです。

 

蓬莱山を模した物と言われています。

 

蓬莱山というのは、仙人が住み、そこの果実を食べると不老不死になるという中国の伝説の島です。

 

とにかく、嶋台という茶碗は、とてもおめでたいお道具なのです。

 

 

2,お薄はどうしましょ

 

お薄も、以前はその日の趣向や、季節に相応しい物を2碗用意して、

席中でお湯ですすいで、茶巾で拭いて、次々とお茶を点てておりました。

 

今回は、皆様にそれぞれ飲んで頂いた後、

水屋で綺麗に清めて、改めて持ち出し

先ほどとは別の茶碗で、もう一服召し上がって頂くことにしようと思います。

昨年の4月の茶事も同様に致しました。

2服目は、ご自服して頂いたんですよね。

 

初釜に相応しいおめでたいもの

この季節に合う茶碗

なんとか5つ選びました。

 

でも、う~ん

一碗、買ってしまいました。

 

自分へのご褒美!

 

いえいえ、お客様はいつも同じ方々なので、

お道具も、見たことがあるものばかりではなく、

新鮮な風を入れたいですよね。

なぁ~んて言い訳しちゃって

 

楽しく準備中です!