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歩々庵だより~2023年4月の茶事その4

私の場合は、お茶事の準備は掃除から始まります。

普段、手を抜いているので、それはもう、せっせとしなければなりません。

 

でも、普通は、趣向を考えると言いますか、その日のテーマを決めることからスタートします。

 

つまりは、お道具組です。

 

会 記

 

寄付床   薫風自南来  前大徳須賀玄道老師

本席床   雲出明洞中   大徳寺 立花大亀老師

風炉先   遠山

釜     透き木釜  遠山霰  

鐶     宝珠  

棚     吉野棚

香合    染付  吉野山  

水指    花鳥暦手 京焼 

茶入    上野焼

濃茶茶碗  萩 

      黒楽  黄瀬戸

薄茶器   平棗 高岡塗

茶杓    ひとすじ  三玄院  長谷川大真和尚

薄茶茶碗  主 紫三島 陶楽

      替 茜地花丸紋  平安 紫雲

        奈良絵  赤膚焼

蓋置  仁清写し 五徳

      建水 曲

花入    竹

 

 

茶杓 ひとすじ

 

ひらがなの銘の茶杓がどうしても欲しくて、お願いして作って頂いた物です。

習い事などは、お茶以外には長続きせず、一途にお茶だけを楽しんできました。

 

まっいっかの性格の私ですが、好みなどはブレることがなく、ただひとすじに好きな物は好きです。

 

いちず と ひとすじ で迷いましたが、ひとすじ でお願いしました。

 

初座

 

 

後座

 



透木釜

 

4月半ばともなりますと、暖かいと言いますか、暑いくらいの日もあります。

透木釜は、炉いっぱいになるほどの大きい羽を炉段に掛けるので、炉中の炭をお客様から隠すことが出来ます。

お部屋の気温が上がるのを抑えることも出来るそうです。

 

吉野棚

 

棚は吉野棚です。

奈良の吉野ではなく、江戸時代の京都島原遊女、吉野太夫からきています。

吉野太夫は、和歌、華道、茶道、香道に秀でた才色兼備の女性だったそうです。

豪商灰屋紹益の正妻になります。

太夫ゆかりの高台寺遺芳庵の吉野窓と呼ばれる大円窓を意匠した棚です。

 

炉では障子ですが、風炉では簾に変えて使用します。

私は、障子の姿の方が好きなので、風炉で使ったことはないんですよねぇ。

今度、使ってみようかなぁ。

 

吉野棚には柄杓釘があります。

 

 

上の写真は、これから初炭をするという場面なので、羽を掛けてあります。

 

写真は無いのですが、薄茶が終わると、柄杓を釘にかけます。

今、香合のある位置に蓋置を置きます。

 

紫三島

 

 

ほんのりと紫色です。とても気に入っています。

 

花丸紋

 

 

梅、桜、竹、紅葉 と、一年中使える茶碗ですが、この桜が本来の正面なのでしょう。

 

お道具は、上を見ればきりがありません。

高価なものは買えませんが、私が使うに相応しいものを、気に入ったものを、少しずつ集めました。

 

今回、自分のご褒美に香合を買ってしまいました。

いつもよりたくさん出した茶碗のどれとも被らない染付で、三角柱という形が可愛いです。

蓋の表面には、三角形を活かして山が描かれているのも面白いです。

ただ、お香は取りづらかったです。深いですからね。

 

 

つづく