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仲居さん日記52

   ~お昼に13、000円の特別会席のご接待

 

先日、平日のお昼にご接待でお使いになるということで、お部屋をご予約頂きました。

6名様用のお部屋を悠々とお二人でご利用なさいます。

いいですね。配膳もゆとりがあって楽に出来ます。

 

お料理は、板長お勧めコース13、000円

バイト先では最高額です。

 

どんなお料理かと言いますと

こちら、その日のお品書きです

 

 

接待側のお客様が、ご予約の30分前にはお部屋に入られました。

大切なお客様だということがわかります。

 

お昼のビジネスランチですと、午後のご予定のことも気になります。

確認させて頂きましょう。

 

”特別料理のコースですので、お召し上がり頂きますのに多少お時間を頂戴いたしますが、何時までにお帰りになりたいとかございますでしょうか”

 

”え?ああ、そうだね。お客様がいらしたら聞いてみるよ”

 

ここで、ピン!

このお客様は、特に午後のご予定は無い!

というか、お酒を飲むことを前提に、午後のお仕事は入れなかった!

 

お客様は定刻少し過ぎにお出でになりました。

 

”お飲み物はいかがなさいますか”

リストをお出し致しました。

 

”いやぁ、お茶でいいですよ”

 

”まあ、そうおっしゃらずに、いいじゃないですか。何かお飲みください。

生ビールとか如何ですか”

 

”実は、私、下戸でして、飲みたくないんです”

 

”・・・・・”

 

”気になさらずに、どうぞ飲んで下さい” と、お客様。

 

でも、さすがにお客様がお茶で、接待側が飲むわけにはいきませんよね。

そのときの、接待側様の落胆ぶりは大きかったようで、お顔に出ていらっしゃいました。

私もその残念なお気持ち、よ~く解かります。

 

飲まれない方は召し上がりのスピードはお早いので、あまり気を使わずにお持ちできます。

 

私の仕事はとても楽なものになりました。

でも、店的にはまさかのぉ~お茶って感じですね。

 

その日は、ホールの方も大勢様のご予約がありました。

社員さんのお若いTさん(女性)が、ホールの方を見て下さいました。

パンツ姿に長いエプロンをして、カッコイイんです。

お部屋が楽な分、ホールもお手伝いできるので良かったです。

 

バイト先では、ご両家お顔合わせや、お宮参りのお客様が多いのですが、同じくらい多いのが、法事後のお食事で使って下さるお客様です。

コロナ禍でめっきり減っています。

 

Tさんは、今、新たな試みとして、お近くのお寺さんを回って営業をしています。

 

先日、その帰りに<言問団子>に立ち寄って、言問最中を買って来て下さいました。

 

<言問団子>というのは、江戸時代から続く、老舗のお菓子屋さんの店名であり、お菓子の名前でもあります。

 

在原業平の和歌

名にしおわば いざ言問いはん 都鳥 我が思う人は ありやなしやと

に因んでの名前です。

 

扱うお菓子は、言問団子言問最中の2種類だけなのだそうです。

 

 

最中は都鳥のかわいい形になっています。

 

仕事終わりに一緒に食べたかったのですが、社員さんは忙しいご様子でしたので、私は黒餡の方を頂いて帰ってきました。

 

 

 

餡子たっぷりですね。

母と半分こして頂きました。

こし餡ということですが、小豆!という感じで、ねっとりと甘くて、美味しく頂きました。

 

ごちそう様ぁ~