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コロナ下での茶事を考える~風炉~

コロナ下で、一番悲しいのは茶事が出来ないことです。

今後いつになったら以前のような茶事が出来るのでしょうか?

お茶の世界も、withコロナの新形式を作って行かなけれなならないのでしょうか?

 

濃茶は回し飲みです。絶対 ✖ ですよね。

さて、どのようにするべきなのでしょうか。

考えあぐねておりましたら、お家元(裏千家)がホームページで ”各服点” という方法をご指導下さっています。

 

これまで聞いたことがなかったお点前なので、この度のコロナの対策としてお家元がご考案下さったものかと思いましたが、三代前の円能斎が明治時代に発案されたものだそうです。

文化の歴史と一言で申しましても、その奥の深さに感嘆します。

科学の進歩は、前へ前へという感じですが、文化や精神はそれとは違い、今の悩みを先人の知恵が救って下さることがあるのですね。

 

”各服点” は明治時代のお作法なので、それを参考にして、私たち自身で、今の環境にあった形を工夫するようにと、お家元はおっしゃっています。

 

 

しつらえの工夫

お茶事は最大5名様をお迎えして行います。

狭い我が家では、密になってしまいますので、3名様をご案内するのが良いと思います。

お部屋も窓を閉め切ることをせず、すかして換気を致しましょう。

茶道口も開けたままとします。

 

懐石の工夫

懐石はどういたしましょう。

最初に運び出すお膳は、通常通りに飯椀、汁椀、向付。

一献差し上げるのも問題ないように思います。

 

汁替えも煮物椀も通常通り。

 

焼き物や強肴のお客様がお取り分けすることは止めにして、水屋で盛り付けてお出しすることにします。

 

飯器の使用もやめます。

重箱のような塗りの蓋物などを使って、下段にご飯、上段には焼き物や強肴など本来お客様がお取り分けなさるものを並べても、お花見弁当風で楽しいかもしれません。

 

小吸い物椀は通常通り。

大好きな千鳥の盃ですが、止めにして、お酒を注いだ後、八寸は2種を一度にお取りする。

 

湯斗は必須ですね。でも、手送りは止めて頂きましょう。

 

炭点前は通常通り

風炉の初炭は拝見が無いので特に問題ないと思います。

 

濃茶の工夫

”各服点” を参考にして、お正客にお一人分の濃茶をお出しした後、残り2名様のそれぞれの茶碗に濃茶のお茶が分量入ったものを水屋から運び出し、手前座で一気に立てるやり方にしようと思います。

基本は、お正客の茶碗のみを拝見し、次客以下の茶碗は数茶碗の扱いで拝見は無しということです。

私の場合、数茶碗は持っていないので、このような状況下では、それぞれご自分の茶碗を拝見するので良いかと思います。

 

茶入れ、茶杓、仕服などの拝見物は、お正客との出会いではなく、末客にお返し頂くことに致します。

 

後炭は省略致します

いつも茶事に時間がかかり過ぎてしまうので、便宜上、後炭は省略しているのでいつも通りです。

 

薄茶の工夫

薄茶の場合も、それぞれのお客様専用のお茶碗でお点てした方が良いと思います。

お菓子も銘々皿でお出しすることにします。

 

 

懐石やお茶や、とにかくお口に入るものをお出するのですから、飲食店と同様の注意が必要となります。

そうまでしても、茶事をしたいと思うのですから、我ながら余程の熱意です。

ただ、そうまでしてお客様が来て下さるかはわかりません。

今日のところは、どのように進めていくかを考えるだけでも先が楽しみになりました。