~反則技の笑えるお話
ご両家お顔合わせのお席でした。
こういう大切なイベントのお手伝いをしたくて、今のバイト先にお世話になったのですが、今は、お部屋を掛け持ちして、ホールも手伝って、、、
なので、お料理をお出しするタイミングがずれて、お待たせすることになってしまったり、申し訳ないことになっています。
お顔合わせの場合、初めは静かです。
緊張感が伝わります。
お飲み物を伺います。
もうすぐ花嫁さんのお父様が、ウーロン茶。
お車とのことです。
”私も、ウーロン茶を下さい” と奥様。
と、ここで、先ほどのウーロン茶のお父様が、
”あちら様が、飲まれるようであれば、お前もお付き合いさせて頂いたらどうだぁ”
優しくおっしゃいました。
いい感じ!ご夫婦仲が良い幸せな家庭だと想像できます。
と、ここで、もうすぐお婿さん側のご両親が ”生ビールお願いします”
結局、ウーロン茶1,生ビール5で承りました。
生ビールは、泡が命!と思っています。
時間がたつとしぼんでしまうので、生ビールを先にお出しする約束になっていますが、そこは、一人ウーロン茶のお父様をたてなければっ!と思い、先ずは、ウーロン茶、そして、反対側のお父様から生ビールを、、、
ん?一つ足りない。
”生ビール5つお願いします!” と、注いでもらい、4つだけお盆に載せて持ってきてしまったようです。
慌てて、裏に戻りました。
そしたら、黒服さんが、でしょ!って顔してるんですよ。
だったら、5つじゃないの!4つしかのってないよとか言ってくれてもいいのでは、、、
いえいえ、私が悪い。八つ当たりですね。
お客様は、とても優しい方々で、何事も無かったかのように ”乾杯!”をなさって下さいました。少し泡が残念なビールで、、、
乾杯の記念写真も撮らせて頂きました。
さて、忙しい時ほど落ち着かなければなりません。
自分に言い聞かせます。
今日は、私が対応しているお客様は、他にもいらっしゃるとはいえ、このお部屋のお客様にとっては、仲居さんは私!なのですから。
ところが、お下げするお皿がおてもとに触れてしまいました。
お祝いのお席で使うお箸は、お正月などに使われる、丸い両細の柳箸です。
コロコロと落ちてしまいました。
あらまっ、やっちゃった
”失礼いたしました。申し訳ありません。箸が転げたと笑ってお許し下さい”
先ほども言いましたように、優しいお客様です。
”お姉さん、上手い事言うねぇ”
”失敗する度に、言い訳ばかり覚えます”
”箸が転がって笑うほど、もう若くないけどぉ” と笑って下さいました。
この、笑って許して下さったお婿さんのお母様が、この後、本当に笑えるお話をなさいました。
ご主人様がハチに刺されたのだそうです。
アナフィラキシーショックで、大変苦しいご様子で、奥様の運転で病院に向かう車の中では、一刻も早く病院へ。赤でも止まるな!とご無理をおっしゃるほど切羽詰まった状態だったそうです。
ここまでは、深刻です。笑えません。
お嫁さん側のご両親様も真剣に聞いていらっしゃいます。
奥様がおっしゃるには
”主人、鼻が大きいじゃないですか”
ーーーつい、見ちゃいますよね。はい。確かにどどんとなさっています。
”お医者様が、鼻を刺されたんですね!って言うんです。鼻じゃないのに、、、クックックッ”
もう、全員で大笑い。
私は、笑いをこらえて退室致しました。
しかし、反則技ともいえるこの笑いネタ。
お父様が体を張って皆様を和ませて下さいました。
でも、お父様、もうハチには刺されないで下さいませ。
ショックがひどくなると聞いています。
私のブログだけを読んで、私の仲居さんとしての仕事ぶりを誉めて下さる方が度々いらして、少々恥ずかしい気持ちでおります。
自分に都合の良い様に書いているのだと思います。
実は、けっこうやらかしています。