母と私の着物ぐらし

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朝ドラのシーン

~山のシーンはイヤ

 

長く朝ドラを見る習慣をなくしていましたが、前回のおちょやんのヒロイン、杉咲花さんのファンなので、また見るようになりました。

 

今では毎朝のルーティーンです。(バイトの無い平日)

朝ドラを見ながら朝ごはん → 韓国ドラマ → お散歩 → 韓国ドラマ

 

今回のお話は、皆の命を守るため、超難関の気象予報士を目指す女の子のお話ですね。

            水の循環のイラスト

 

先日、山での急な天候の変化に、あわや命の危険が!というシーンがありました。

 

朝ごはんを食べながら、私は普通に見ていたのですが、母がお箸とお茶碗を持ったまま、小さく固まっています。

 

おかずに不満でもあるの?(食べ物にはうるさいタイプなので)

歯が痛いの?

見えなくて、悲しくなっちゃったの?(母は緑内障白内障

なに?

 

と、母の様子を伺っておりますと

 

”山のシーンは嫌だ” と、いつになく、消え入りそうな声でポツリ。

 

ああ、そうか、、、そうだよね。

 

私の父は、私が生後半年の時に亡くなっております。

山での遭難です。

半世紀以上が過ぎていますが、母の悲しみは癒えていないことを改めて痛感しました。

 

一瞬、どうしようかと思いましたが、”大丈夫だよ。すぐに助かるから。”としか言えませんでした。

 

私は、物心がついた時には、父がいなかったので、居ないことが当たり前になっています。

母にとっては、初めての子どもが生まれて半年という幸せの絶頂からの、奈落の底です。

再婚しなかったのは、私のことを考えたということもあったけれど、父よりも素晴らしいと思える人に出会えなかったからだと言っておりました。

 

母の苦労は分かっているようでも、悲しみの深さは充分に理解していないのだと思い知らされた朝でした。

 

母は、けっこう気難しいところもあり、気分転換が出来なくて、ストレスを溜めがちな性格で、淋しがり屋です。

 

年をとっていく母に優しくしたい反面、めんどくさっと思ってしまうこともあります。

 

神様が(仏様かもしれませんが)、あの朝の悲しみで小さく固まった母の姿を私に見せたのには意味があると感じます。

 

しばらくは、すごく優しい娘になれそうです。