8月も25日を過ぎてのお出かけの場合、私は迷わず絽の着物を着ます。
絽は7月8月の薄物の時期全般にお召し頂けるものです。
それに対して紗は、7月末頃~8月の20日過ぎ頃までの盛夏にふさわしい着物です。
この夏の紗の時期は過ぎたように思います。
記録的な猛暑であろうが、昭和、平成、令和と着物を愛してきた私のこだわりと言いますか、、、母から刷り込まれていて拭えないと言いますか、、、
でも、それは絹の着物の場合のお話です。
絹は着心地が涼しいのです。
絽も、紗もそれほどの違いは無いように思います。
もちろん、比較的涼しいという意味で、猛暑ですもの何を着ていても暑いです。
汗もかきます。
夏の絹の着物は、少しの間の正座でも大変なしわになりますし、汗染みやら、とにかく扱いが大変です。
場合によっては、着るたびに呉服屋さんにお手入れをお願いすることになります。
でも、大切なお出かけには、やはり絹の着物で出かけたいと思うのです。
せっかく母に作ってもらった着物です。
宝の持ち腐れにしてはなりません。
残念ながら、コロナ下の今年は絹の着物には袖を通さず、夏が終わりそうです。
ポリエステルの絽は暑いです。
残暑の中では着る気になりません。
何度かご紹介しておりますが、綿とポリエステルの交織の模紗と呼ばれる生地が、ありがたいほど涼しいです。
紗の時期は過ぎたというこだわりも、着心地には勝てません。
そんなときは、せめて色や柄で秋めいたものを選びます。
暑い夏には私いち推しの綿とポリエステルの交織の模紗の着物です。
花輪のように丸く描かれた秋草の中にトンボが飛んでいます。
この柄でしたら、かなり透けるこの生地でも秋を感じて頂けるのではないでしょうか。
この着物に合わせる帯や小物は、白や水色でも合いますが、今回は茶と辛子色で秋らしい装いにしたつもりです。
これはポリエステル100%の着物です。
夏大島を真似て作られたのでしょうか、極ごく細い糸で織られているので、比較的涼しいです。
葡萄が描かれています。
スイカや桃は夏の果物ですが、葡萄は秋の初めの味覚と言えましょう。
帯は暖色のえんじ色を合せました。
帯締めは茶色のような写りですが、濃い緑と金で出来ています。
着物はモノクロなので、帯揚げで葡萄の紫色を表現し、帯締めで葉の緑を表現できるかと試してみました。
少し、紫が浮くでしょうか。
そんなときは、帯揚げは少しだけ見えるように帯の間に深く押し込むのも方法の一つです。
帯揚げを緑に変えると、こんな感じになります。
辛子色でしたら、秋らしくなるでしょうか?
う~ん?
小物は水色で合わせると、すっきりするようです。
小物によって印象も変わります。
手持ちの中からどれを選ぶかも楽しみのひとつです。