<古い訪問着を暖簾に>
華やかなグリーンの訪問着ですが、母から私にお下がりしてきた時には、すでに、あちらこちらにシミがありました。
ですので、私も、気兼ねなく着ていた着物です。
派手になったからといって、もはや人様に差し上げることの出来ない着物です。
捨てるには忍びなく、暖簾にしてみました。
暖簾は何枚か作ったのですが、絹の訪問着で作ったのは初めてです。
思ったよりもシミも目立ちません。光沢があって綺麗です。
半間の出入り口には、3枚を縫い合わせれば十分です。
襟肩空きで切って(というか、途中まで切れてしまっているので他の選択肢はないですね)4枚になるうちの、比較的汚れていない3枚を、柄のつながりも考えて選び、上から30cmほどまで縫ってつなげます。
もう少し丈が欲しかったので、先ほど1枚残った布を上に足しました。
特にギャザーを付けることをしなくても、棒を通した時に自然と布が寄ります。
ちなみにこの棒は、100均で売っている植物を支えるための物です。
フック型のネジにかけてあります。
↑ これも作っておきましょう。邪魔な時にまとめることが出来ます。
適当で良いと思いますが、目分量で作った私の場合、本体の長さは37cm、太いところが9cmに仕上がりました。一回り小さくても良かったと思います。
端の輪にした部分は、長さが6cmにもなってしまいましたが、もっと短い方が正解だったようです。
<余り布でバックを作る>
着物は生地をたくさん使って出来ています。
まだまだ余り布があるので、バックを作ろうと思います。
本体の部分に2枚。
倍の長さが取れれば2つ折りにして、片側だけを縫えば良いのですが、今回は2枚になりました。
目分量で切りましたが、計ったら、37cmでした。
これの両側に大きなポケットを作りたいので、両袖の柄の部分を見てみます。
袖には綺麗な柄が描かれていますが、
←このシミは目立ちます。
ぎりぎりピンクの小花は生かして、下の大きな花は諦めます。
こちら側は特に目立った汚れがないので、好きな場所を選べます。
切れ端の天と地を縫って、筒状にして、アイロンをかけます。
表にして、どの柄の部分を表に出すかを最終的に決めてアイロンをかけます。
中表にして、着物の時の縫い目が出ないようにその内側を、後でひっくり返せる分を残して縫います。
その部分は、本体に縫い付ける時にふさがってしまうので、そのままで大丈夫です。
柔らかい生地のバックの裏生地には、古い帯の裏地を使うのがお勧めです。
今回は、適当なものがなかったので、ほどいた帯の帯芯を本体の裏につけました。
それぞれの側にファスナー付きのポケットと、蓋のあるタイプのポケットを作りました。
ポケットが真ん中から多少外れても、これは内ポケットになるので見えないから大丈夫です。
蓋部分には柄を使いました。
これらのポケットをつけた上に、上の柄を選んだ布を大きなポケットとして縫い付けます。
バックの底を作りたいので、裏返して角を縫って、先は切り落とします。
裏生地は、生地を足した縫い目があっても、多少シミがあっても見えないので大丈夫です。
表と同じ大きさを用意するのですが、裏が小さいとつれるので、私は気持ち大きめを目指して作ります。
裏返した裏生地の袋の中に、表になるポケットなどをつけた袋を表にしたまま入れると、中表に合わさるので、ひっくり返す部分を残して、口の部分を縫い合せていきます。
着物の時の縫い目が内に入るように縫います。
この時、裏生地の方が大きすぎて、時々ギャザーが入っても、大丈夫です。
ただ、表が大きいと、表にギャザーが見えることになります。
裏生地の方は、三角に縫わなくてもそのままで大丈夫です。
裏を少し控えて、今縫った口の部分にアイロンをかけます。
ファスナーを付けます。
手をつけます。
皮や合皮の手を付けても良いのですが、今回は余った布で作ります。
芯には、ジーンズの紐があったのでそれを使います。
測るのは苦手ですが、手を付ける場所が偏ると使い辛いので、例えば、メモの紙を置いて、ここ!と待ち針を刺し、反対側も同じメモ紙を置いて待ち針をすれば左右から同じ距離になります。
手を付けるとこうなりました。
この✖の縫い目は隠したいですね。
丸く型を取って、一回り大きく粗く縫って、糸を引いて丸くアイロンをかけます。
✖を隠すように丸く縫い付けます。
ファスナーも出来るだけ家にあるものを使いたいと思っています。
口とポケットのファスナーの色の違いは覗かない限りわかりません。
気になる方は、揃えたらそれはその方が良いと思います。