ご両家お顔合わせは、お若いお二人にとって大事な大事なイベントです。
今の方は、パソコンなどを使いこなしていらっしゃるので、それぞれのご家族や、お二人のご幼少のお写真などを載せた、それは綺麗な栞を作られる方が多いです。
一所懸命なご様子に、心を打たれることも多いです。
その中でも、先日は特にこの日のために心を尽くしていらっしゃるカップルがいらっしゃいました。
お二人は、3週間後の本番のために、同じお部屋をご予約し、同じコースを召し上がるという念の入りようです。
ご予約頂いたのは、バイト先で唯一の和室、6名様用の掘りごたつのあるお部屋です。
このお部屋は角部屋で、見晴らしがひときわ素晴らしいです。
ご案内いたしますと
”わぁ~すご~い。スカイツリーが目の前!”
と、喜んで下さいました。
ほほあん
”当店、唯一の角部屋でございます”
一応、大きなテーブルの相向かいに御膳をご用意させていただいておりましたが
ほほあん
”よろしければ、お二人お並びで、景色を見ながらお召し上がりになりますか?”
彼氏さん
”いいですかぁ。じゃ、そうします。ね!”
彼女さん
”うん💛”
ーーーいいなぁ~かっわいいなぁ~
彼氏さん
”上座は、やっぱ、床の間ですか?”
ほほあん
”さようでございます。
6名様でございますと、通常は、床の間の前にお二人、反対側にお二人。向こうと、こちらにお一人づつ座って頂きますが、ご両家様で相向かいになるように、床の間と反対側にお三人づつをご希望になる方もいらっしゃいます。お狭くなりますが、、、”
彼氏さん
”狭いっすよね。普通のパターンでいいよね”
彼女さん
”そだね”
その後、お二人で、どの席にどちらのご両親を座って頂くかを楽しそうにご相談されていらしたので、下がりました。
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彼氏さん
”何時まで居ていいんですか?
食事を始める前に、僕がしゃべりたいんですけど、あと、おふくろとか、この部屋入ったら、わぁ~きゃぁ~言って、景色見てて、なかなか座らないと思うんですけど”
ほほあん
”昼も夜も、個室は一組様だけのご予約を承っておりますので、どうぞ、中休みを頂戴する3時までごゆっくりなさって下さいませ。お母様がこちらの眺望をお気に召して下さったら嬉しいことでございます。お客様も、思い切りお話なさって下さいませ”
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彼女さん
”当日と、今日と、メニューは同じなんですか?”
ほほあん
”同じ月の内ですので、重なるものもあるかとは思いますが、今日、わざわざお出で頂いたことは板長も承知しておりますので、考えていると思います”
彼女さん
”実は鮎が苦手です”
ーーーえええええ、稚鮎の揚げ物がメインぽい感じのお献立でした。
可哀そうなことをしました
ほほあん
”まあ、おっしゃって下さればよろしかったのに、って、私も伺わなくて、申し訳なかったです”
彼女さん
”いいえ、そんなそんな。メニュー見て、でも、食べられるかなって思ったのですが、やっぱり苦手でした。アハハ”
ほほあん
”他に苦手なものがあったら伺っておきます。せっかくのお二人の大切なお食事会ですので”
彼女さん
”はぁ、今日のメニューですと、太刀魚もあまり、、、”
ほほあん
”あらまっ、苦手なものばかりで、申し訳ないことでした。鮎と太刀魚は外すように言っておきます”
彼女さん
”ありがとうございます”
ーーーあっ!そうだ、これ、この可愛いお嫁さんに言っておこう。
老婆心だけど、、、
ほほあん
”あのぉ~お嬢様、もしお嫌いな物があったら、早めにご主人のご両親様には言った方がよいですよ。
私の従妹なのですが、初めてお宅にお邪魔した日に、あちらのお母様がうなぎを出前で取って下さったのですか、苦手だって言えなくて、、、
うなぎってご馳走じゃないですか。その後も伺う度にうなぎで、もはや言えないし、気持ち悪いって、可哀そうなことになっています”
彼女さん
”あっ、はぁい。言います”
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デザートまでお出しして
ほほあん
”本日はありがとうございました。
では、当日、お待ちしております”
お二人
”よろしくお願いいたします”
素敵なカップルでした。
当日も私が、担当させて頂こう!と心に決めたほほあんでした。
当日編に続く~