母と私の着物ぐらし

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くるみちゃんは覚えているのかなぁ

遠い思い出ですが、時々ふっと浮かんでしまうことがあります。

 

小学校1年生の時の事です。

思い出というには、あまりに不快な記憶。

 

私は1年生までは、群馬の山間部におりました。

1年生は2クラス。

 

ある時、私のクラスの先生が何か急用があって、自習の時間になりました。

まあ、1年生に自習は無理ですよね。

席から離れて、動き回る男の子。

女の子はおしゃべり。

確かにうるさかったと思います。

 

その時

 

”うるさ~い!静かにしなさい!”

 

お隣のクラスの担任の先生が怒鳴り込んできました。

ここまでは、普通ですよね。

叱られて当然です。

 

でも、その後です。

 

”あんた!なんて名前?”

 

一番廊下側の前の方に座っていた女の子に聞きました。

その子だけがおしゃべりをしていた訳では無いのですが、後ろを向いて話をしていたのが、たまたま目に入ったのでしょうか、、、

 

”〇〇くるみです”

 

”あっそ、くるみ、だから頭もクルクルパーなのね”

 

って言ったんです。

 

その時、くるみちゃんは泣いたりしなかったと思います。

よく覚えていません。

私自身、その先生が怖かったのと、ショックでした。

 

教育者が発した言葉として、あまりに酷すぎる。

いえ、人としてだめです。

 

くるみちゃんは、特に仲良しの子ではありませんでした。

私は、その後すぐに転校してしまったので、クラスの他のお友達の名前も2~3人しか覚えていません。

でも、くるみちゃんの名前は忘れられません。

 

他人の私でさえ、この事件を引きずっています。

くるみちゃんは覚えているのでしょうか。

すごく嫌な記憶は消えると聞いたことがあります。

忘れていることを願います。

 

私のクラスの先生は、とても優しくて良い先生でした。

木村先生。私の恩師です。

残念ながら、もうお亡くなりになりましたが、母と新橋で店を始めてからも、群馬にお住いの先生のご自宅にお邪魔して、私のお茶名披露の写真なども見て頂きました。

あまりに丁寧に見て下さるので、帰りの時間が気になったくらいです。

一年生の時に、母と離れて暮らす私を心配して下さった先生は、母と寄りそって生きていることをとても喜んで下さいました。

 

2クラスに分けられた私たち1年生。

確率二分の一で、お隣のクラスのあの先生が担任になったかと思うとぞっとします。