母と私の着物ぐらし

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道行と羽織(女性)

 道行は、字からもわかるように道中着です。洋服で言えばコートです。

ですから、家の中では着ません。人様のお宅をお尋ねする場合は、お玄関先で脱いでから上がらせて頂くのが良いと思います。

 

防寒のために着ることも多いと思いますが、道行には、絽や紗(絽も紗も夏の生地)で出来たものもあり、本来、帯付きで出歩くものではなく、道中のホコリを持ち込まないためのホコリよけ、また、帯を守る役割もしています。

 

御年輩のご婦人が、暑い盛りの頃に紗の道行をお召しになっているのを見かけたことがありませんか?

とても素敵だと思いました。

 

 羽織は、寒いときに羽織るもの。家の中で着ていても大丈夫です。

更に言えば、羽織を着て、さらに道行を着ても良いのです。

重ねて着ますと、襟元などがすっきりしないので、個人的にはお勧めはしませんが。

まあ、ショールなどをすればその襟元も隠れますね。

 

 紋付の絵羽(柄が一枚の絵のようにつながる模様)の羽織などは、着ることで着物の格を上げることが出来ます。

そういえば、母は授業参観に小紋の着物に黒の絵羽の羽織で来ておりました。

絞りで柄が描かれているものでした。古いことを思い出しました。

 

 羽織というと、私は真っ先にウールのアンサンブルを思い出してしまうので、ウールや紬には羽織が合うように思います。

 母の意見では、小紋までかなということですが、大正ロマン風で長い羽織を訪問着に合わせるもの、それぞれご自由に楽しんだら良いのではないでしょうか。