母と私の着物ぐらし

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この出逢いにありがとう

先日のこと

バイト帰りの電車の乗り換えで、とある駅のホームの椅子に座っておりました。

 

     駅のホームのイラスト(背景素材)

 

携帯を見ていた私に

”失礼します”

と、ひと声掛けて、見るからに、まだ小学生の坊やが隣の椅子に座りました。

 

そこは、ベンチ式ではなく、椅子との間に荷物を置くスペースもあるようなタイプです。

私も、これまでにお隣の方に声を掛けてから座ると言うことをしたことがありません。

 

何て、お行儀の良い坊やなのでしょう。

 

お声を掛けて頂いたのですから、私も何か言わなくちゃ

”どうぞ”

 

頑張って、優しい感じでは言いましたけれど、ちょっとお粗末ですね。

 

電車が来ました。

 

私が乗るのはひと駅です。

ドア付近に立っていると、ソフトなタッチで私に触れる手。

 

振り向くと、その坊やが

”そこ、どうぞおかけ下さい”

と、空いている席を私に勧めて下さいました。

 

もぉ~なんて、なんて、可愛いのっ!

私の魂は、抜け出て、その坊やをハグしておりました。

 

”どうもありがとう。でも、次に降りるので大丈夫です”

 

”僕も○○駅で降ります”

 

もはや、この坊やと最寄り駅が一緒だということが嬉しい私♡

 

何か、言いたい。話したい。

でも、ジェネレーションギャップ!

母の店の手伝いで、おじさん慣れはしているけど、純真な少年には不慣れな私。

 

 

”おいくつですか?”

 

”11才です”

 

”5年生ですか?”

 

”6年生です”

 

受け答えもは、シャイな感じだけれど、はきはきしていて、気持ちか良いのです。

 

せめて、今の気持ちを伝えなければ!

 

”先ほども、座られる時にお声を掛けて下さって

おばさんは、なんか、とっても爽やかな気持ちにさせて頂きました。

どうもありがとう”

 

恥ずかしそうに笑ってくれました。

 

ドアが開くと、坊やは先に降りて行きました。

 

小さな背中♡

このまま、まっすぐに大きくなってね♡

 

と、

その坊や、振り返って

 

     振り返る人のイラスト(男性)

 

”どうぞ、お気を付けて”

 

って言ってくれたんです!

 

猛暑の中のバイト帰り、心も体も、うだぁ~となっている私に、ご褒美のような出会いでした。