バイト先の客層は、すこぶる良いと感じています。
とてつもないお金持ちは、もっと違うお店にいらっしゃるでしょうし、ツンとおすましの方は滅多にいらっしゃいません。
お優しい方が多いです。
例えば、お客様の後ろを通っていて、ちょっとした柱につま先をぶつけたりして、痛っ!って思わず口にしてしまったとき
<お客様>
”ああ、悪かったねぇ。もっと椅子を引いておけば良かったね。大丈夫?”
と、こんな感じ。
<ほほあん>
”いえ、とんでもございません。私が粗忽者なのでございます。見た目が落ち着いてみえるので、皆さんに驚かれてしまいます。お騒がせ致しました”
ところが、先日、珍しく、えええええええええーーーーーΣ( ̄□ ̄|||)ってことがありました。
朝、頂くメモに
<狭い。ご了解済> と書いてありました。
お部屋は、、、ああ、6名様仕様のところに8名様ですね。
こうなると、お部屋に配膳台が置けません。
廊下から、結構な段差の上り下りをしながら、配膳をしなければなりません。
大変よね。多分、私の係り。
でも、はい!がんばります!
ご来店です。
なんと!8名様でもお狭い事をお電話で納得して頂いたはずなのに、9名様です。
当日、突然の追加。ご連絡も無し。
まあ、詰めてお掛けいただくしかありません。
その上、法事のお席でしたので、ご遺詠を置くとのこと。
少しずつ、詰めて頂きましょう。
それしか無いじゃないですか。
ここで
<お客様女1>
”写真用の、テーブルを用意しなくちゃダメなんじゃない!”
けっこうなキツイ言い方です。
<ほほあん 心の声>
”はぁ~?????”
<ほほあん>
”私共が通れなくなってしまいますので、お詰め頂くことでお許しくださいませ”
元々がお客様が座られると、後ろを通って配膳するのが狭いお部屋です。
帯がズズッて壁にすれることもございます。
今日は、お隣どうしのお客様の間隔も狭いです。
片側、4名様と、反対側5名様が座られることになるので
<ほほあん>
”お狭いので、いかがでしょうか。4名様のお席の方に男性に座って頂いた方がよろしいかと思いますが”
<お客様女2>
”ああ、女性の方が小柄だからね。でも、いいわよ。別に”
なんと、結局、4名様の方に女性4人。5名様の方に男性4名、女性1名が座られました。
もう、覚悟をしなければなりません。
こういう時に、一番気を付けなければならないのは、配膳するときに粗相をして、お客様のお召し物を汚すことのないようにすることです。
今月の前菜のお皿は、30cmはあろうかという細長い物。
そこに、小さな小鉢が3つ載っています。重いです。
洋食ですと、大きなお皿でも片手でスッと、それこそスマートにお出しますね。
でも、和食は、基本両手扱いです。
手を放すときは片手づつ、恋しい人と分かれる時の気持ちで!とお茶の先生から教えて頂きました。
狭いお客様の後ろを通って、お隣同士も狭い間をお出ししなければなりません。
お背中にぶつからない様に気を付けて、一枚づつ運びます。
お二人にお運びして、廊下に次のお皿を取りに出たときです。
<お客様女1>
”一枚づつ運ぶのっ!段取り悪いわね”
聞こえました。いえ、聞こえるようにおっしゃっています。
<ほほあん 心の声>
”何それ。居酒屋じゃあるまいし、両手に持って運べってこと?
はいはい、解かりました。お品が無くなるけどね”
片手に一皿づつ、二枚持って入りました。
お一人目のお客様には片手でお出しすることになります。
<ほほあん>
”失礼して、片手で置かせて頂きます”
重いし、お皿の上に小鉢ですから、カタカタカタカタ音がしています。
両手に持っているのですから、1枚目のお皿は片手で置くことになります。
一枚お出しすれば、2枚目は両手で丁寧に置くことが出来ます。
これを繰り返しました。
<ほほあん>
”片手で失礼します”
<ほほあん>
”申し訳ありません。片手で置かせて頂きます”
シツコイですよね。
私って、結構こういう性格です。
お食事が進んでいきます。
お酒のご注文もひと段落です。
と、
<お客様女2>
”あたし、お茶飲みたい” (きっぱり)
<ほほあん>
”はい。ご用意致します”
この方、70代?80代?
多くのお客様は ”お茶頂けますか?” もしくは ”お茶下さい”
っておっしゃいます。
<ほほあん 心の声>
”飲みたい!って、いいけど、それ、珍しいご所望の仕方ですよ、お客様。
おみじゅぅ~って言う幼子みたい”
朝から、少々かみ合わず接客をしてまいりましたので、この言い方にも違和感を感じてしまった仲居さんのほほあんでした。
まあ、こんな日もあります。