今週のお題「鬼」
鬼といえば、邪悪な者、邪悪な考え、と思いが行きます。
昔話の中でも鬼は悪役で、退治されるべき者たちです。
桃太郎はヒーローです。
何で読んだかはもう覚えていないのですが、物語の中の赤鬼のモデルは、漂着した外国人ではなかったかという内容に驚きつつも、妙に納得してしまいました。
確かに、体が大きくて、白人の高揚したその顔は赤く見えたかもしれません。
髪も赤くて、縮れていて、命からがら漂着したとなると、着る物もボロボロであったでしょう。
どうでしょう。絵で見る鬼の姿に似てきます。
知らない国で、生きて行くためには食べ物も盗む以外には無かったかもしれません。
一方、理解できない言葉を発する体の大きな人を村人は恐ろしいと感じて、自分や家族を守ろうとするために石を投げたかもしれません。
仕方ないので、隠れるように山奥に住み、夜になると村に下りて盗みを重ねる。
本当に、漂流者が物語の鬼のモデルなのだとしたらと考えると、可哀想で仕方ありません。
どんなにか、淋しくて、悲しくて、ひもじくて、寒くて、、、
自分と違うこと、自分の知らないこと、何となく排除してしまいがちです。
理解しようとすることさえ忘れています。
その私の中にある他を排除する気持ちこそが、鬼ではないかと思います。
可哀想な漂流者を鬼にしてしまうような悲しいことはしたくありません。