母と私の着物ぐらし

着物の決まり事 日々のコーディネート 趣味の茶事 母との暮らし 仲居さんのバイト

仲居さん日記43

その1

 

仲居さんですから、頑張ってお運びしています。

でも、私、あまり重い物は持てないです。

手首が笑っちゃうほど細いのです。

 

デザートをお出しする前に、お膳を引かせて頂きます。

私が、同席のお客様のお膳を引くのをご覧になっていらしたのでしょう。

そのお客様のお膳を引かせて頂こうとしましたら、”よいしょ” とお声をかけて下さいました。

 

”ご声援、ありがとうございます”

”いいえ、ご苦労様” と、上品な笑顔をお見せ下さいました。

 

おばあさんのイラスト「笑顔」

 

こういうお優しい方にお逢いできるので、このお仕事は楽しいのです。

 

 

その2

 

御親戚のお集りです。

小さなお嬢様がお二人ご一緒でしたので、話題は<鬼滅の刃>に。

若いお母様方が ”禰豆子の着物の柄って、あれ、何?市松模様は違うよね”

と話しておいでです。

お祖母様もご一緒にいらっしゃるのですが、<鬼滅の刃>自体をご存じありません。

お話の間に入るようで、少し躊躇いたしましたが、お近くまで伺って

”禰豆子ちゃんの着物の柄は<麻の葉>でございます。産着などによく使われる柄でございました” と申し上げました。

”ありがとうございます”  と、にっこりなさって、皆様に ”麻の葉だって” と。

おじ様方にも ”さすがに良く知ってるねぇ” と言って頂きました。

 

すると、<鬼滅の刃>は???のお祖母様でしたが、<麻の葉>は御存じで、 ”麻は丈夫だからね。子どもが丈夫に育つように産着には麻の葉が使われたのよ” と、若いお母様方に説明をなさっておいででした。

 

 

その3

 

バイト先には、一部屋だけ和室がございます。

そこの畳がふる~~~~~くなっています。

赤ちゃんをお連れのお客様にご使用頂くことが多いのに、ささくれた畳がとても気になっていました。

 

実は、昨年末に畳替えの話がでたのですが、コロナで中断してしまいました。

仕方がないので、和室にご予約がある日は、必死で畳を拭くのです。

雑巾にカスみたいなものが付くのです。

もう、キリがないわって感じです。

和室は私が担当することが多いので、他人ごとでは無いのです。

 

今朝です!

店長が ”畳替えることにしました!”

”おおお、ありがとうございます!”

思わず、お礼言っちゃいましたよ。

 

今日も和室担当だった私が、お片付けをしていると、今度は黒服さんが 

”畳替えることにしました!”

”はい。良かったです”

 

なぜにお二人とも、お知らせして下さるの?

私が、ガンガン畳を拭いていた後姿に、”いくら拭いたってカスが出るじゃない” という苛立ちが出ていたのかも。

いやいや掃除をする人のイラスト(家)

 

先輩に ”和室拭いてきま~す”

そして、先輩からの ”ご苦労様だねぇ” の会話の中に毒を感じていたのかも。

 

何にしても、良いニュースです。