以前、仲居さんの着物とかぶりたくない!お客様のこと、書かせて頂きました。
今回は、途中経過です。
そのお客様からご連絡がありまして、当日はピンクのお着物をお召しになるそうです。
私共の、シフト表には、”着物注意!ピンク以外!!” と付箋が貼られています。
よく見ると、ご予約のお名前は男性でした。
やはり、ホワイトデーの大切なお食事のようです。
おそらく
”わたし、着物着て行くね!”
”おお、いいねぇ。可愛いだろうねぇ。楽しみぃ。!”(私、妄想気味ですね)
”でもぉ、そこの仲居さんの着物と被っちゃったら、ちょっと、悲しいなぁ。”
”だよね。制服はどんな着物なのか、聞いてみるよ。”
こんな会話がなされたのではないかと思われます。
私共は、特に制服が決まっておらず、自分の着物を自由に着て良いことになっています。
”お召しなるお着物が決まっていらしたらご連絡下さい。”へのお返事は
”ピンクの着物” というあっさりとしたものでした。
店長も黒服さんも男性なので、”ピンク以外の着物でお願いします。”と、ケロッとなさっていますが、私にしたら、”で?、柄は?” って感じです。
このあっさりしたお返事も、彼氏さんが間に入っていると思うと納得です。
と、色々と気になりますのも、
私は、お客様のご質問へのお返事を出すときには参加致しましたが、コロナ禍の今は仲居さんは一人体制なので、当日は、私は呼ばれないと思っておりました。
ところが、珍しく個室の方も2組様ご予約が入ったので、私も出ることになりそうだからです。
この時期にピンクのお着物ということは、やはり桜を意識されているのだと思います。
私共としては、<ピンク&桜の柄>の着物と帯を控えさせて頂こうと考えております。
楽しみです。お客様はどんなお着物でお出でになるのでしょう。
どんなカップルなんでしょう。
もはや、他に<ピンク&桜の柄>のお着物のお客様がご来店にならないことを祈ります。
このお客様に、思い入れが強くなってしまった自分を感じて、思い出したことがありました。
以前(かれこれ25年ほど前)お世話になった海外旅行の添乗員さんのひと言!
”下調べなさって、ご相談された方には、全力でサポートしたいですが、それに便乗するだけの方には責任持てません。”(きっぱり)
母とローマに行ったときのことです。
私はせっかくのローマなので、出来ればフリーの時間に見たい彫刻があって、美術館の名前を調べてありました。
今のように、簡単にネットで調べものをする時代ではなかったので、ガイドブックが頼りでした。
ガイドブックを片手に添乗員さんに相談しましたら、予約制の美術館でしたので、その電話予約と、翌朝のタクシー手配もして下さいました。
ありがたかったです。
ところが、同じツアーのご夫婦が、”私たちも行きたい” とおっしゃったら、”今からは無理です。”と、クールにお断りになりました。
そのあと、私のところにいらして、先ほどの言葉、
”下調べなさって、ご相談された方には、全力でサポートしたいですが、それに便乗するだけの方には責任持てません。” と、おっしゃったのです。
きっと、ガイドブックにピンクや黄色や緑のラインマーカーをいっぱい引いている私が、どんなに楽しみに旅行に来たかを感じて下さったのだと思います。
お食事のご予約の時も、ご要望がございましたら、何なりとお申し出下さいませ。
面倒臭いお客様だなんて、決して思いません。
まず、大事な場面で、選んで頂いたことが嬉しいです。
少しでも楽しい時間を過ごして頂きたいです。
そして、そのお手伝いをしたいと心から願っています。
ただお料理を運んでいるだけに見えるでしょうが、いえ、それで良いのですが、実は、迷い、悩みながらも、お心に添いたいと心をくだいております。
また、そうでなければお仕事もつまらないものになってしまいます。