母と私の着物ぐらし

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お正月のお飾り

28日は、お正月のお飾りをする日ですね。

30日でも良いようですが、29日はくんち飾り、31日は一夜飾りと言って嫌います。

 

くんち飾りの “く” が ”苦” に通じるという理由です。

29を発音すると、”にじゅうく” ”二重苦” になってしまいます。

 

一夜飾りがNGなのは、年神様をお迎えするのに失礼になるからです。

大掃除を済ませて、粛々と整え、お迎えしましょうってことですね。

 

 

まず、お玄関。

”私はここです。ここにいらして下さいませ。” のアピールです。

 

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立派な門などありませんので、これで十分かと思います。

 

毎年、干支が入っているものを求めます。

牛は、黒OR白黒。

けして、めでたい色ではありません。

それを打破するために、牛に赤いお花を付けてしまったあたりが、とても気に入りました。

絵馬(絵牛?)になっているのも可愛いです。

 

絵馬の屋根(?)の部分は、漢字の ”入” になっていますよね。

こういう細かい文化がいかにも日本人という感じがします。

どうぞ、幸運が我が家に入って来ますように!!!

 

年神様におかれましては、お玄関を入って頂きましたら、キョロキョロなさらず、廊下をささっと通られて、和室にお入り下さいませ。

my茶室に、お迎えの用意が出来ております。

 

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クリスマスプレゼントに頂いた薦被りには、赤べこが描かれています。

赤色が、病気を退散させる力があると考えられているそうです。

そういえば、おばあちゃんの原宿といわれる巣鴨地蔵通り商店街では、赤いパンツが売られている有名なお店があります。

 

赤べこの体には、白い縁取りの黒い丸が描かれていますが、これは疱瘡にかかって、それが治った跡を表わしているのだそうです。

赤べこが身代わりになって守ってくれるのです。

コロナ禍の今、是非そばにいてほしいです。

 

お供えは、今どきの簡単なものを使いました。

 

お花は、松、葉牡丹、千両、蝋梅です。

蝋梅は咲いてくると、とても上品な良い香りがします。

 

 

さて、肝心のお軸ですが、コロナ禍を思えば、<無事是吉祥>が相応しいかと思ったのですが、願いを込めて<彩鳳舞丹霄>を掛けました。

 

彩鳳は、天下泰平の時に現れる幻の鳥です。

5色の羽を輝かせながら舞うと言います。

 

丹霄は澄みきった大空という意味です。

 

澄みきった大空に色鮮やかな鳳凰が舞うという、実に美しい、おめでたい情景です。

 

ただ、そのおめでたい情景も、それを見る人の心が曇っていれば見ることが出来ないといいます。

この辺が、禅語の厳しいところですね。

 

コロナ禍です。

皆で、少しずつ我慢をして、一日も早い終息をしなければなりません。

 

天下泰平とは、天下が良く治まっているということ。

つまりは、優れた為政者の存在が不可欠です。

 

願いを込めて選んだお軸です。