母と私の着物ぐらし

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仲居さん日記5~ある日開き直る

私のバイト先は、個室もあるのですが、ホールの方は広いので、20名様、30名様の団体のお客様もございます。

 

  楽しそうに食事をしている老人のイラスト 楽しそうに食事をしている老人のイラスト 楽しそうに食事をしている老人のイラスト

          

他の仲居さんは、お盆に3つ5つと器をのせて、ささっと配られますが、私は2つしか持てません。

 

お茶(裏千家)だけを頑張ってきた私には、左の手でお盆を持って、右手だけでお客様にお配りするのにも抵抗があります。

両手で置いて、大事なものは片手づつ手を放すと教わってきました。

 

でも、ここで働く以上は、皆さんのようにしなければ!と思って頑張ろうとしたのですが、マネージャーさんに ”左手がグラグラしてるよ。出来ないことはしないで” と言われました。

 

そう!出来ないことは出来ません。

気持ちにそわない配膳の仕方もやめましょう。

 

 

団体様のときは、お盆に乗るだけの器をのせて、そのお盆をを両手で持って、窓際の棚に置いて、そこからお一人様づつ両手で器を持ってお配りしています。

これまでの、片手でやっと2つを持つよりも、少し早くて、私の気持ちも落ち着きます。

 

通路側は他の仲居さんがして下さいます。

皆さん良い方ばかりで、”あなた、持てないものね” という了解と、窓側は狭いので、”あなた、痩せてるものね” というのがあって成り立っています。

 

自分らしくお仕事しようと決めてからは、断然楽しくなりました。

お茶事の気持ちで配膳しています。

一期一会です。

以前母に注意されて、反省しているので、特別なお祝いのお席でなくとも心込めて配膳出来ます。

 

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