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お料理名に利休と付いたら胡麻風味

 

 

日本料理のお店で、お運びのアルバイトをしています。

と、いっても、コロナの影響で半失業中です。

このバイトは、色々なお料理を目にすることが出来て、自宅でのお茶事を楽しみとする私には、勉強になることが多いです。

 

利休焼

利休焼とは、肉や魚の表面に胡麻をまとわせて焼いたり、煎り胡麻を混ぜて衣状にしたり、調味料と練り胡麻を合せたものを表面に塗ったり、下味をつける場合は、漬け地に胡麻を入れたり、、、、と様々ですが、胡麻が使われた焼き物を利休焼といいます。

千利休が、お料理に胡麻を良く使っていたことから名づけられています。

利休煮も、胡麻の風味を生かした煮物です。

利休揚げは、胡麻をまぶして揚げたり、又はごま油で揚げたものをいいます。

つまりは、お料理に利休と付いたら胡麻風味のお料理なのです。

また、南部地方が胡麻の産地なので、胡麻を使った料理を南部~ということもあります。

 

東寺揚げ

東寺揚げはというと、材料に湯葉を付けて揚げた料理をいいます。

湯葉で包んで揚げたものや、干し湯葉を細かく砕いて衣にする場合などもあります。

京都の東寺で湯葉が作られたことから、湯葉を使った料理には東寺が使われます。

東寺焼、東寺煮、東寺蒸し、東寺餡、東寺和えなどもあります。

 

信田煮、信太煮(しのだに)

信田煮は油揚げを使った煮物のことをいいます。

野菜、山菜、豆腐、すり身などを開いた油揚げで巻いたり(信田巻き)、袋状の油揚げに具を入れて煮たり、刻んだ油揚げが入っていても信田煮と呼ばれます。

信田巻きは、煮る他にも蒸したり、揚げたりもします。

信田とは油揚げのことですが、<信太の森の伝説>がその由来です。

陰陽師で有名な安部清明の父である保名が、信太の森で狩人から白狐を助けたら、その白狐が美しい女性になって現れて、やがて二人の間に晴明が産まれるのですが、正体が知られ信太の森に帰っていくというお話です。

これは、その狐の名前の葛の葉(くずのは)という演目で歌舞伎にもなっています。

狐は油揚げが好きであるということが前提になっています。お稲荷さんと同じですね。

 

小田巻蒸

信田巻きに名前が似ている小田巻蒸は、茶碗蒸しの中におうどんが入っているものをいいます。

 

信州(信濃)揚げ

信州揚げとは、そばを使った揚げ物のことをいいます。

茹でたそばを鶏肉で巻いて揚げたり、そばを他の具材といっしょに海苔で巻いて揚げたり、衣にそばの実を使ったりと様々です。

信州がそばの産地であることからの名前です。

信州蒸しというと、具材(基本的には白身魚)に茹でたそばを乗せて蒸したものですが、信州煮というと、鰆の信州煮のことを指すようです。そばつゆのような甘辛い煮汁だからでしょうか。特にそばは使っていません。