母と私の着物ぐらし

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着物に多く使われる文様~麻の葉

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<麻の葉>の柄は何方でも目にしたことがあると思います。

<麻の葉>と覚えていなかった頃の私は、”赤ちゃんが着る着物の柄の帯出して” などと言っており、母にはそれで通じるので良いのですが、この<麻の葉>の柄を言葉で説明するのはなかなかに難しいです。

 

 

例えば、”六角形の幾何学模様で、中心から線が広がって、え~と、星みたいな、いや星とは違うし、え~と” となってしまいます。

これ、笑い事ではなく、母は新舞踊を教えているのですが、毎年秋の舞台の群舞で着物や帯を合せる必要があるのですが、

 

母 - 夜桜小唄は桜の着物に紺の麻の葉の半幅帯にしましょう

お弟子さん - 紺の帯が2本ありますけど

母 - 麻の葉のほうね

お弟子さん - 麻の葉???

母 - ひし形がいっぱい繋がっている模様で、ほら、

    赤ちゃんの産着によく使われる柄で、、、

 

結局はタンスから実物を出してきて見てもらうことになるのです。

 

着物ぐらしをする上では、良く見かける柄の名称は知っていた方がスムーズですし、背景なども知っておくと、着物のコーディネートの参考にもなります。

 

 

<麻の葉>の柄は、平安時代から仏教の装飾に使われていた柄で、後に植物の麻の葉の形に似ているということで<麻の葉>と呼ばれるようになったということです。

 

麻はとても成長が早く(4か月で4mにもなる)大きく根をはることから、成長、発展、商売繁盛、子孫繁栄などを意味し、古来より縁起の良いものとされてきました。

子供の健やかな成長を願って、産着には<麻の葉>が定番なのもうなづけます。

 

また、麻には魔除けの効果があるとも言われています。

神社でお祈りするときに、まず鈴を鳴らすと思いますが、あの鈴緒も、それから、しめ縄も麻で作られているそうです。

横綱のしめ縄も麻です。

三角形(鱗紋)にも魔除けの意味があり、その集合体のようなデザインの<麻の葉>にはより強い力があると考えられています。

 

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