うちの母は、鼻だけは良いのです。
頭の軽い脳梗塞から始まって、足の巻爪まで、体は大変なことになっていますが、鼻だけは良いのです。
朝から、ここが痛い!こっちも痛い!と数えたらきりがないので、
<私>この際、痛くない所を言ってみて
<母>ない
探してみたら、ありました!鼻!
やっと見つけた良いところを、新橋の店のお客様(母は新橋のママでした)に
お話したところ、”それって、面倒くさいよ。○○ちゃん、大変だね” と言われました。その時は、さほど感じなかったのですが、今は、その言葉が頭を巡ります。
新型コロナで、匂いがわからなくなる症状が出ると聞いてからは、”コーヒーの香がわかるから大丈夫だね” などという平和な会話もあったのですが、とにかく色々な匂いが気になるらしく、その上、困ったことに気分が悪くなるのです。
新生児用の除菌剤もNG。
乳がんの手術から退院してくる母の部屋を除菌しなければと思い、赤ちゃん用の物なら大丈夫だと思って慎重に選んで購入しました。
抵抗力が落ちているはずだから、これで安心!と思ったのですが、一晩寝たら、”気持ち悪い。なんか、置いたりしてない?”ということになって、けっこうなお値段でしたが、捨てました。
母いわく ”変な物置かれて、殺されるかと思った”
新発売の物にも要注意です。
トイレの置くだけタイプの、パワーアップして新発売!黒ずみまでOK!
気持ちが悪くなりました。捨てて、古いタイプの物に買い換えました。
カビキラーなどはもちろんNG。
出かける直前にシュッとっして、帰宅後あわてて流します。
以前は、母が外出している間にゆっくり作業出来たのですが、緑内障が悪化してからは、転ばないように手を繋いで歩いているので、母が一人で外に出ることはありません。
これまで、母が着物の管理をしていたので、季節外の着物は、母の部屋の押し入れの茶箱の中に入っています。
その茶箱の数、大小合わせて8つ。
当然、樟脳を入れます。
衣替えの度に母が気分が悪くなるので、匂わないのが新しい的なものに変えたら、樟脳とは違う嫌な匂いがして気持ち悪いと言います。
今年の衣替えを機に、改善すべく頭を悩ませています。
プラスチック製の物って、古くなると、嫌な匂いがします。
洗濯ばさみや、折り畳み式の洗濯干しを昨日大量に処分しました。
洗濯ばさみを入れていた藤の篭も捨てました。
鼻が利くのは、生きていく上で大事なことです。
動物は、匂いを嗅いで、食べられるものかどうか判断しています。
嫌な匂いがすると感じるだけならば良いのですが、母は、吐き気を伴うほどに体調を崩すので、深刻です。
その程度がひどくなったのは、熱中症になって以来だと思います。
体の恒常性の能力が著しく低下してしまったように感じます。
この夏は暑い中、マスクを付けなければならないので、いつも以上に注意が必要です。
皆様も、どうぞくれぐれもお気をつけ下さい。
コロナのためにお仕事もお休みで、母とお篭り生活をしていますと、お互いイラっとすることも多いです。
この、カチン!ムカッ!イライラ!の感情を、母が亡くなった後も思い出せるかなぁ。
いいことばかりを思い出したら、余計に淋しいだろうなぁ。