母と私の着物ぐらし

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茶事 令和2年2月 初釜

    2月に入ってしまいましたが、私にとりましては、炉開きと初釜を兼ねております。と、言いますのも、昨年11月のとある朝(この日は寒かった)お花屋さん(お花屋さんも冷えている)で、指先が冷たくて、小銭を落としてしまったのを拾おうと、キュッとしゃがんだ拍子に肉離れ。正座など夢のまた夢という状態が長く続き、お茶事をすると決めるまでに3か月近くもかかってしまいました。

 お茶事の亭主は、なかなかの肉体労働です。懐石のお運びで何度も立ったり座ったりと忙しく、翌日は筋肉痛になるほどです。それでも、楽しくてやめられないのが、茶事の亭主です。

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寄 付 

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八彩画 鎌倉平八

初夢は、一富士二鷹三茄子の富士ですが、この絵は、昨年母が足立区文化功労章を頂いた時の副賞です。お披露目を兼ねています。

 

 

 

本 席

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<無事是吉祥> 

ちょっとした体の不具合で炉開きも初釜も延期せざるを得なかった今回、無事のありがたさが身に染みています。今後益々そうなっていくことでしょう。というわけで、迷わず選びました。

<熨斗の炉縁>

長く黒の真塗のみでしておりましたが、蒔絵のものも一つ欲しくなり、せっかくなので、遠山や独楽つなぎのようなものよりも、華やかな熨斗をもとめました。

<寿棚>

名前も姿も良い大好きな棚です。本科は昭和3年の御大典(昭和天皇の御即位)に好まれたもので、桐木地の天板に菊置上のものでした。令和最初の初釜には是非とも使いたいと思ました。

<干支 ねずみの香合>

ねずみは意匠しやすいのか、色々のものがありますが、織部釉の打ち出の小槌に白ねずみが乗っているものを今回初使いです。打ち出の小槌を真横にして荘るのはちょっとと思い、少し角度をつけてみると、ねずみが真っすぐにこちらを向きます。なるほど、そういう風に作ってあるのですね。

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<長緒の茶入 赤楽の茶碗>

今回は、赤楽を使いたかったのです。あの赤さが  ”あけぼの” って感じでいいなぁと思って。

私の持っている肩付の茶入は、上野焼で、赤い色をしているので、赤楽茶碗と一緒に使うのは避けたいと思いました。

特に長緒を選んだというよりは、黒い色合いの茶入を選んだというわけです。

<祥瑞の水指>

梅が正面になります。四君子模様で、どこを正面にしても使えそうですが、蓋が丸くないので、梅が正面と決まってしまいますが、初釜に使うには申し分ありません。

<牡丹の棗>

棗と棚の色が近いのが気になりましたが、百花の王である牡丹は、別名を富貴ともいうおめでたい花です。

茶杓 佳日>

蟻腰で、じつに華奢な茶杓で、気に入っています。茶杓は、ほとんど、お作や名で選ぶものだと思いますが、その形までも心惹かれる茶杓にめぐり逢えて幸せです。

 

 <檜扇の茶碗>

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檜扇に四君子が描かれています。同じ四君子でも、水指は祥瑞なので、一緒に使っても大丈夫と思いました。四君子のどれを正面にしても使えますが、松竹を正面と決めると、向こうの内側に一番綺麗な部分がきます。

<雪持ち笹の筒茶碗>

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 筒の形をしていて熱が逃げずらいので寒中に使う茶碗です。

 <一閑人の蓋置>

日がな一日、井戸の中を覗いている閑な人という意味です。

新年の朝、寅の刻に井戸から汲んだ若水を汲んで、年神様に供えます。若水は邪気を払い、飲むと若返ると言われています。

私の手持ちの一閑人の井戸の部分には宝尽くしが描かれてあり、若水を意識しての意匠だと思われます。

献 立

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<向付> 

鯛の昆布締め 紫蘇の葉千切り 大根の千切り 加減醤油

<汁>

白みそ仕立て 胡麻麩 黒豆 とき芥子 

<煮物椀> 

鯛、海老、占地の蕪蒸し 木耳 京人参の紅梅 大根白梅 柚 蕪の葉

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<焼物> 

鰆の西京漬

<預け鉢>

鶏肉団子 牛蒡、人参、椎茸入り 京人参の梅 車麩 どんこ椎茸

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 <強肴>

こんにゃく芋から作ったお手製こんにゃくの胡麻味噌田楽

<強肴>

山芋の山葵漬け

<強肴> 

炙りはたはたの西京漬け

<八寸>

数の子の鰹節まぶし 菜の花の辛子和え

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 <香の物>

沢庵 しば漬け

蕪の皮と葉と昆布の揉み漬け

 

  

 

 

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