1<椿の訪問着に七宝の袋帯>
私はお茶の人なのですが、母は踊りの人です。
母の流派の新年会が雅叙園で開かれるため、私はお付き添いで参加致しました。
お茶では許されない刺繍の襟もつけてみました。
帯締めは藤結びにしました。振袖などの結び方ですが、華やかなお席には許されるでしょう。
新年会ということもあり、おめでたい柄の物を選ぶか、また、なかなか出番のない色留を着るチャンスかとも考えたのですが、
テーブル席でのお食事の場合、色留は柄が見えなくてつまらないので、訪問着に決めました。
訪問着の中でこれを選んだのは、椿という季節感もありますが、やはり大好きだからです。
この着物は、柄、染の深さが気に入っていることの他に、買ってもらった時の思い出が宝物です。
随分とさかのぼりますが、成人式の着物を鈴乃屋さんで作りました。その時、付き添いの母も作ったことで、京都祇園まつりにご招待して頂きました。
東京駅集合。自宅からタクシーでどうぞ。新幹線は往復グリーン車。バブルでしたね。
買ったからのお礼の招待という考えは甘かったですね。
京都駅からそのまま着物展示場へ。買うまで出られないという感じでした(笑)
そのときに、私の係についてくれた京都の染元の方?鈴乃屋の方?わかりませんが、まだお若い男性でしたが、”どんな感じのものがお好きですか?”の質問に、いくつか答えただけですのに、”お任せ下さい”と何本かの反物を抱えていらして、私の目の前に、ダァ~~~~と広げて下さって、それはもう美しい絹の海。あんなに気に入った反物ばかりを見せて頂いた事は後にも先にもありません。とても気持ちの良い時間でした。
?十年たった今でもこれだけはっきり覚えているほどです。
全部気に入った中で、やっと決めたのがこの椿の着物です。
大事に着ておりましたが、派手になってしまいます。しまいました?
あと何回かは着たいものです。
帯はプラチナの七宝です。
金、銀、オレンジ、紫と使われてあるので、色々な着物にあわせやすい重宝な帯です。
2<牡丹の訪問着に佐賀錦の袋帯>
金の扇面に大きく牡丹が描かれています。
牡丹は百花の王とも言われ華やかな花です。また、別名を富貴ともいいます。富貴とは豊かさと身分の高さを表す言葉です。お祝いのお席にふさわしい柄です。
扇も末広でおめでたいですし、
大きく熨斗も描かれています。
帯は佐賀錦を選びました。
金銀箔が用いられる佐賀錦は格の高い帯です。
硬くて締め辛いと思いきや、ゆるんでこないので締めやすく、着心地の良い帯です。
この着物と帯の取り合わせで、礼装も可能ですが、その場合、襟は白、帯揚げ帯締めも白が良いでしょう。白の重ね襟もお勧めです。
3<蘇州刺繍の訪問着に袋帯>
ピンクに淡い色合いの蘇州刺繍の着物です。
上品な着物だとは思いますが、胸元が淋しいので、更に淡いピンクの重ね襟をしました。
蘇州刺繍にごく淡いグリーンが使われているので、淡いグリーンの重ね襟でも、また、淡いピンクと淡いグリーンの重ね襟を2枚使っても面白かったかもしれません。
重ね襟は華やかになる上に、着物の襟が汚れずらいというメリットもあります。
ただ、お茶席ですと、懐紙を胸から出し入れするときに引っかかったりしますので、お勧めできません。
全体的に淡いので、帯は黒を選びました。
↓ 膝前の刺繍はこんな感じです